玄関先に置かれていた謎の石

ある日、玄関に出ると見慣れない石が3つ置かれていました。この辺りでは見かけない、角のない丸みを帯びた石で、大・中・小の3つが玄関付近に並べられていたのです。その光景を見た瞬間、ある不安が私の頭をよぎりました。
妊娠中で、いわゆるガルガル期(妊娠中や産後に、気持ちが不安定になったり、周囲への警戒心が強くなったりする状態を表す俗称)に入ったばかりだと感じていた私は、普段以上に警戒心が強くなっており、その不自然に並べられた石を見て「もしかして空き巣のマーキングでは」と疑ったのです。怖くなった私は、石を玄関から少し離れた場所へ移動させました。
後日、その出来事を元警察官の義父に話し、念のため警戒したほうがよいのではないかと相談しました。すると、それを聞いた義父は突然大笑い。その石は、義父が散歩中に珍しいと思って玄関先に置いたものだったのです。
真相を知った瞬間、緊張が一気にほどけ、私も思わず笑ってしまいました。
◇◇◇◇◇
今振り返ると、環境の変化と妊娠中の不安が重なり、必要以上に深刻に受け取ってしまったようです。同じ出来事でも、心の状態一つで受け取り方は変わるのだと感じました。これからはひとりで考え込まずに、心配なことがあったら家族や友人に相談したいと思います。
著者:鈴木太鳳/30代女性・派遣
イラスト:マキノ
「パパ活?」叔父のSNSに若い女性との写真

母方の実家では、祖母と母の兄弟たちが飲食店を経営。53歳の叔父も、その店で一緒に働いています。
叔父は厨房に立ち、料理を黙々と作る寡黙なタイプ。16年ほど前に離婚し、26歳の一人娘を男手一つで育ててきました。飲食店で働きながら子育てにも向き合う姿は、家族からも「本当によく頑張っている」と評判で、まさに「苦労人」でした。仕事と子育てを両立してきた、家族思いの父親でした。
そんな平凡な日常を一変させる出来事が、ある日突然起きたのです。
何げなく見たSNS…「え?どういう関係なの?」
何げなくSNSを眺めていると、関連アカウントの中に叔父の名前を発見。「叔父さんがSNS? 意外と若々しいな」と軽い気持ちでのぞいてみると、そこには20代前半にしか見えない女性との2ショット写真がずらりと並んでいます。距離感も近く、相手のアカウントには外国人名が表示されていました。
一瞬「パパ活?」という言葉が頭をよぎりましたが、叔父に限ってそんなはずはないと自分に言い聞かせました。
気になって相手の女性のアカウントを見ると、さらに驚くことに、外国人名ながら名字は叔父と同じ。「え? どういう関係?」と混乱し、母に相談することにしました。
母は写真の存在を知らなかったものの、叔父がGWやお盆に海外旅行へ行っていたことを思い出したそうです。独り身だと思っていたのに、女性が叔父と同じ名字であることが気にかかりました。「何か事情があるのかもしれない」と、叔父に直接聞いてみることにしました。
国際結婚・年の差婚…次々に明かされる真実
後日、母と一緒に叔父を訪ね、真相を尋ねました。叔父は少し焦った様子で口を開きました。
「……実は、再婚したんだ」
予想外の言葉に、一瞬、時間が止まったように静まり返りました。
われに返った母は「誰と? この若い子と? 国際結婚? なんで黙ってたの!」と頭を抱えます。再婚相手は24歳の外国人女性で、叔父の娘より年下。娘にとっては、自分より年下の母ができたことになりますが、「お父さんが幸せなら」と受け入れてくれたそうです。
再婚相手の女性は以前、日本で働いていて、帰国するタイミングで叔父がプロポーズしたとのこと。生活が落ち着いてから報告するつもりだったと、叔父は少し申し訳なさそうに話しました。
私は母と顔を見合わせ、「あんなに幸せそうな顔されたら何も言えないよね」と笑みを浮かべました。そして、母も苦笑しながらうなずき、「あの子が笑ってるなら、もう応援するしかないわ」と最後はきっぱりと言い切ったのです。
おかげで、35歳の私に24歳の叔母ができました。正直なところ、心配がすべて消えたわけではありません。しかし、苦労ばかりだった叔父が、やっと自分の人生を楽しもうとしている姿を見て、私はそっとスマホを開き、叔父のSNSに“いいね”を押しました。
◇◇◇◇◇
家族にとって衝撃的な話でしたが、長年仕事と子育てに向き合い続けてきた叔父が、ようやく自分自身の人生に目を向ける余裕を持てたのだと、うれしくも感じました。戸惑いや心配が完全に消えたわけではありませんが、照れくさそうに笑う叔父の表情を見ていると、「幸せになってほしい」という気持ちのほうが自然と勝りました。
家族の形や幸せの選び方は人それぞれ。「こうあるべき」という枠に当てはめるのではなく、変化を受け入れ、喜びを分かち合うことの大切さを実感させられた、心に残る出来事でした。
著者:小池 希/30代のパート主婦。ゴルフが趣味の夫と、2020年生まれの元気いっぱいな娘と、2022年生まれのいたずらっこの息子との4人家族。最近肌のたるみが気になりはじめ、夫に内緒でちょっぴり高めの美顔器を購入。こっそり肌のお手入れに奮闘中!
イラスト:マメ美
まとめ
身近で不審に思える出来事が起こると、普段以上に警戒し、さまざまな可能性を考えてしまうことがあります。2つのエピソードに共通していたのは、目にした情報だけで想像を膨らませていたところ、家族と話すことで思いがけない真相にたどり着いたことでした。不安や戸惑いが生じたとき、身近な人と言葉を交わすことが、事実を知り、気持ちを整理するきっかけになるのかもしれません。
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※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています
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