僕の弁当をバカにする同期
ある日の昼休みのこと。社員食堂で僕が手作り弁当を食べていると、見栄っ張りの同期が、取り巻きを連れてやってきました。
同期は、同じ会社にいる僕の幼なじみを狙っていたようで……。幼なじみは、社内のエースで高嶺の花でした。そんな彼女と話をするのは不釣り合いだ、と感じていた僕は社内で距離を置いていました。ところが、なぜか同期は僕と彼女が幼なじみだということをかぎつけたよう。僕に嫌がらせをするようになっていました。
僕の弁当を見た同期は、「毎日、自分の手作りって…惨めじゃない? 恵んでやるからマシなもの食えよ(笑)」と僕が座っている机の上に小銭を投げてきたのです。
僕は怒りで胸がいっぱいになっていました。周囲の社員たちも、同期の最低な行動にざわつき始めていました。
幼なじみの完璧な反撃
「何してるんですか?」そのとき、後ろから凜とした声が響きました。声のするほうを見ると、幼なじみの彼女が立っていて……。彼女は、机の上に散らばっていた小銭を集めると、同期に冷たく言いました。
「人が一生懸命作ったお弁当に、なんてことをするの? だから、仕事でも人の努力を踏みにじるんだね。納得」
同期は、「いや、これは冗談で…」と焦っていましたが、彼女の反撃は止まりませんでした。周囲に聞こえる声で、過去のプロジェクトについて話し始めて……。
「あなたが先日、『俺のおかげだ!』と自慢していたプロジェクトのこと、忘れたんですか? トラブルが起きたとき、彼(僕)があなたのミスをカバーしていたこと、私知ってるんですよ。あなたが評価されたのは、彼が責任を持って最後までフォローしたからでしょ?」
彼女の言葉を聞いた同期の顔は、みるみるうちに青ざめて……。周囲からも、「そんなことがあったのか…」「彼(同期)には無理だと思ってたんだよ」と納得の声が上がっていました。
僕の気持ちを晴らしてくれた幼なじみ
その後、周囲で幼なじみと同期のやり取りを聞いていた誰かが、今回の件を上司に報告してくれたよう。上司からは、「この間のプロジェクトについても、君のフォローについて気が付けずに申し訳なかった」と言われました。
同期が「自分のおかげ」だと話していたプロジェクトについても、実際の貢献度が確認され、僕が影でどれだけ仕事を支えていたかが明らかになったのです。
同期はというと、上司から厳しく注意を受け、その後は周囲からの信頼も失っていきました。取り巻きからも見放され、完全に孤立してしまったようです。
一方の僕は、これまで以上に仕事を任されるようになり、少しずつ自分の仕事に自信を持てるようになりました。
ある帰り際、彼女が僕に声をかけてきました。そのとき、僕は彼女に「どうして僕をフォローしてくれたの?」と聞いてみたところ……。彼女は、「長い付き合いだし…それに、頑張っている人がバカにされるのを黙ってみていられなかっただけ」と言ってくれました。
彼女の言葉を聞いて、僕がこれまで必死に積み上げてきた努力は、決して無駄ではなかったのだと思うことができました。人を見下して自分の価値を見出すのではなく、僕はこれからも自分にできることをひとつずつ積み重ねていこうと決意しました。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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