兄「実家の修理にお金がかかる」
ある日、兄から電話があり、築年数のたった実家の屋根に傷みがあり、修理をすることになったと聞きました。兄の話では、屋根の修理には100万円ほどかかり、工事の日程はこれから業者と調整する予定だということでした。
「父さんたちだけに払わせるのも大変だし、俺たちも少し出さない?」
兄からそう言われ、私も両親のためならと思いました。
兄は、「お前には30万円お願いしたい」と言います。決して小さな金額ではありませんでしたが、両親がこれからも安心して暮らすために必要なお金なら仕方ありません。
兄からは「俺がまとめて業者に支払うから」と言われ、私は兄名義の口座へ30万円を振り込みました。工事の日程が決まったら連絡があるものと思い、それ以上詳しく確認することはありませんでした。
後日、兄からは「助かった。ありがとう」と連絡があり、それで修理の話は終わったものと思っていました。
父の言葉に困惑
それから数カ月後、私は久しぶりに実家へ帰りました。両親と話をしていると、ふと屋根の修理のことを思い出しました。
「そういえば屋根、きれいになった?」と何げなく父に聞くと、父は不思議そうな顔をしました。
「屋根? 修理なんてしてないよ」
一瞬、何を言われたのかわかりませんでした。
「でも、兄貴が、実家の屋根は修理することになったって言ってたよ。俺も30万円出したんだけど」
そう伝えると、今度は父が驚きました。父によると、以前から屋根の状態を気にしてはいたものの、業者に修理を依頼したことはないとのこと。その場にいた母も、そんな話は聞いていないと答えました。
私はすぐに兄へ連絡しました。
30万円はどこへ?
「実家の屋根、修理してないって聞いたんだけど。俺が渡した30万円はどうしたの?」
すると兄は、最初こそ「これからやる予定だった」と説明しました。
しかし詳しく聞いていくと、話は少しずつ変わっていきました。最終的に兄は「あのころ、生活費とクレジットカードの引き落としが重なって、口座のお金が足りなかった」と認めました。私から受け取った30万円は、兄個人の支払いに使ってしまったのだそうです。
私はあきれてしまいました。
「それなら、最初から自分のお金が足りないって言えばよかっただろう。実家の修理代だと言われたから出したんだ」
兄は、「一時的に使っただけだよ。どうせ屋根はいつか直すんだから、そのとき俺が30万円出せば同じだろ」と言いました。
しかし、私にとっては同じではありません。両親のためにお金が必要だと思ったからこそ、30万円を出したのです。
今後は直接確認することに
私は兄に、使ってしまった30万円を返してほしいと伝えました。兄も返金に応じ、30万円は数回に分けて返してもらうことになりました。
両親も今回のことを知り、今後、実家にまとまった費用が必要になった場合には、兄ひとりを通すのではなく、家族全員で内容を確認してから進めることにしました。
私はそれまで、「家族なのだから、わざわざ確認するのも水くさい」と考えていたところがあります。
しかし今回の出来事で、家族への信頼と、お金の使い道を確認することは別なのだと気付きました。身近な間柄だからこそ、お金が絡む話では目的や使い道をきちんと確認することが、思わぬトラブルを防ぐためにも大切なのだと感じています。
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家族からの頼み事は、相手を信頼しているからこそ、詳しく確認せず受け入れてしまうこともあるかもしれません。今回の出来事は、信頼することと、お金の目的や使い道を確認することは別だと気付かされるエピソードでした。身近な間柄であっても、お金の目的や使い道について事前に確認しておくことが、トラブルを防ぐことにつながるのかもしれません。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
※AI生成画像を使用しています
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