用意されていない食事
僕はとあるIT企業で営業職をしています。これは、取引先のX社が主催するレセプションパーティーに、同僚たちと参加したときの話です。
会場に到着した僕たちが、X社で僕たちの担当窓口を務めるBに挨拶すると、Bは「あれ? 下請け企業さんの分は、食事も席も手配していなかったようで」と衝撃的な発言をしました。事前に入念な出欠確認があったにもかかわらず、謝罪のひと言もなく……。
その後、「立ち見でよければ、どうぞ」と言われましたが、Bの態度の悪さに僕たちはうんざりしてしまいました。
「ここにいても、良好な関係を築ける気がしない」と思った僕たちは、早々に帰ることに。席を立つ僕たちを見たBは、
「もう帰るんですか?(笑) これでお会いするのは最後かもしれませんから、楽しんでいけばいいのに」と、嘲笑うように言いました。
どうやらBは、自社に有利な条件を出す別のIT企業を見つけており、僕たちの会社との取引を打ち切るつもりだったようです。だから、こんなひどい対応をしたのか……と、妙に納得してしまいました。
謎の鬼電のワケ
案の定、契約更新のタイミングで、X社から一方的に更新を見送る旨の通知があり、契約は終了しました。長年の取引がなくなるのは残念でしたが、「僕たちは僕たちなりに誠実に頑張るしかない」と一致団結し、より仕事に力を入れるように。
ところが、しばらくしたころ、突然Bから連絡が入りました。電話に出てみると、Bは焦った口調で、「もう1回、やり直してほしい!」と懇願してきて……。事情を聞いてみると、契約終了後、X社の新規プロジェクトには僕たちの会社が持つ独自技術が必要不可欠だったことが判明したとのこと。
Bが当てにしていた別の企業では技術力が足りず、「やはり元の取引先にお願いするしかない」と社内で問題になり、僕たちに泣きついてきたようでした。
しかし、彼が僕たちを一方的に切り捨てたのです。上司に報告したところ、「あのような不誠実な対応をする担当者とは、到底信頼関係を築けない」という判断が下されました。
僕は会社としての決定を伝え、電話口できっぱりとお断り。電話の向こうにいるBが絶望している様子が伝わってきました。その後、何度も電話がかかってきましたが、僕たちは断り続けました。
新たな取引先が見つからない!
ある日、X社とつながりがある別の同業他社の人から、X社の噂を聞きました。
Bは僕たちに断られた後も、さまざまな会社に連絡を取っていたようです。しかし、結局プロジェクトを任せられるだけの技術力を持った取引先は見つかりませんでした。
さらに、今回の契約打ち切りは、Bが自分の手柄にしようとコスト削減に焦り、「もっと安い業者に乗り換えるべきだ」と上層部に強引に進言して決めたことだったそう。
その結果、Bは「どうして重要な技術を持つ企業との取引を勝手に切ったんだ!」と社内で激しく責められることに。職場で居場所を失ったBは、やがて自主退職したとのことでした。
結局、X社の新規プロジェクトも必要な技術を確保できず、白紙に戻ったようです。一方の僕たちは、みんなで協力しながら日々の仕事に励んでいます。
今回の件で、目先の条件だけで人との関係を判断してはいけないと改めて感じました。これからも人とのつながりや信頼を大切にし、誠実に仕事をしていきたいと思っています。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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