モデルルームで同級生と再会
久しぶりの再会を喜ぶ間もなく、A子は「えっ、まさかここ買うつもり? 結構高いよ? あなた昔から貧乏だったでしょ?」と僕を見下してきました。
僕の実家は裕福ではありません。妻が「私たちなりに考えて来ていますので」と答えると、A子は鼻で笑いました。
「奥さんも大変ね。無理なローンを組まされたら、苦労するのはあなたでしょ?」
「もっと身の丈に合った物件を探したほうがいいんじゃない?」
妻まで馬鹿にされたことに腹が立ち、僕は「僕たちの収入や資金計画、確認したの? どうして買えないと決めつけるの?」と言い返しました。するとA子は「無理して買われて、あとで払えませんなんて言われても困るのよ」と強気に言い放ったのです。
その言葉で、僕の気持ちは完全に決まりました。
「わかった。じゃあ、この物件はやめる」
僕たちが下した決断は…
「は? 何それ。ちょっと嫌なこと言われたくらいで?」と驚くA子。
僕が「大きな買い物を任せたい相手じゃないから」と返すと、妻も「私もここに住みたいとは思えなくなりました」と告げました。
結局、その日はA子に購入を見送ることをきっぱり伝えたうえで、僕たちは帰宅。
すると翌日、不動産会社の責任者から電話がかかってきました。
「昨日、購入を見送られたと伺いました。差し支えなければ理由を教えていただけませんか?」
A子から言われたことをありのまま説明すると、電話の向こうでしばらく沈黙が続きました。
責任者がA子を追及!
後日、責任者と改めて話すことに。その場にはA子もいました。
責任者が「お客様の収入や資金計画を確認しましたか?」と尋ねると、A子は「い、いえ。でも昔から知っている人だったので……」と答えます。
責任者から「昔からのお知り合いだということと、今の支払い能力に何の関係があるんですか?」と詰められ、A子は何も答えられませんでした。
実は僕たちは頭金を準備しており、住宅ローンの事前審査も通っていたのです。
責任者は「住宅ローンを利用できるかは金融機関の審査で決まります。あなたの個人的な印象で決めつける話ではありません」とA子に注意しました。さらに妻への失礼な発言を指摘されると、A子は「ち、違うんです! 心配して言っただけで……」と慌てて弁解。
僕は思わず、「『身の丈に合ったところにしたら?』って言ったよね。それが心配する人から出る言葉だとは思わないけど」と口を挟みました。
A子はしばらく黙り込んだあと、「……本当にごめんなさい。私、昔の印象だけで勝手に決めつけてた」と、ようやく頭を下げました。
家探しの結末
その後、責任者からは担当者を変更するので再検討してほしいと言われましたが、僕たちの答えは変わりませんでした。
「家選びはご縁も大切だと思っています。嫌な思いをした以上、無理に購入するつもりはありません」
しばらくして、僕たちは別の不動産会社で気に入ったタワーマンションを見つけ、購入しました。
人を昔の印象だけで決めつけると、大切なものを失うこともあります。僕は妻と納得できる家を選べて本当によかったと思っています。これからも2人で話し合いながら、大切な選択をしていきたいです。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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