何度も無断駐車され…
私はマンションで暮らしており、敷地内の駐車場を1台分借りていました。
当時はまだ自分の車を持っていなかったため、普段は空いていましたが、家族や友人が車で来たときに使うこともあります。もちろん、使っていない間も毎月きちんと料金を払っていました。
ところが数カ月前から、知らない車が勝手に停められていることが増えました。
最初は誰かが場所を間違えたのだろうと思っていました。しかし、その後も同じ車が何度も停まっていたのです。
一度、家族が遊びに来た際にも無断駐車されており、仕方なく近くの有料駐車場へ停めてもらったこともあります。さすがに困り、管理会社にも相談。車には「契約者がいるため駐車しないでください」という注意書きも置いてもらいました。
それでも、しばらくするとまた同じ車が停まっていて……。何度も目にしていたため、私はその車の色や車種、ナンバーの一部まで覚えていました。
契約直前、窓の外に見覚えのある車が
そんな中、車を購入することになり、いくつかのディーラーを回った末、ある店舗で気に入った車を見つけました。
担当のA男は話しやすく、こちらの希望にも丁寧に応えてくれました。何度か相談を重ね、見積もりにも納得できたため、その日に契約するつもりで店を訪れたのです。
必要事項の確認も終わり、A男が契約書を私の前に置きました。
「では、こちらにサインをお願いします」
いよいよ契約というところで、私は何げなく窓の外へ目を向けました。
すると、店舗脇の駐車スペースに、見覚えのある車が停まっていたのです。車種も色も、あの無断駐車の車と同じ。そして見覚えのあるナンバーでした。
私は窓の外を指しながら、A男に尋ねました。
「あれ、どなたの車かわかりますか?」
するとA男は特に気にする様子もなく、「僕の車ですが」と答えたのです。その瞬間、私は契約書から手を離しました。
「すみません。やっぱり契約はやめます」
「いつも空いていたから…」
突然のことに、A男は驚いていました。そこで私は、あの車が何度も自宅マンションの駐車場に無断で停められていたことを説明しました。
するとA男の表情が変わりました。
どうやら私のマンションに知り合いが住んでおり、その人に会いに行く際、私の駐車スペースを使っていたようです。
A男は「いつも空いていたから、使われていない場所だと思った」と言いました。しかし、管理会社から注意書きをされてからも何度か停めていたはず。到底納得できる説明ではありませんでした。
車そのものに不満はありませんでした。しかし、ルールを守らず、それを軽く考えている人から購入する気にはなれず、結局その日は契約せずに帰りました。
後から知った思わぬ事情
その後、私は別のディーラーで同じような条件の車を購入しました。新しい担当者は最後まで丁寧に対応してくれ、安心して契約することができました。
そしてしばらくしたある日、マンションの前で、偶然A男の姿を見かけました。
A男に向かって、女性が激しい口調で詰め寄っており、そばにはもう1人、険しい表情の女性が立っていました。何事かと思っていると、「何度も私の部屋に来てたのに、結婚してるなんて聞いてない!」という声が耳に入ってきたのです。
詳しい事情まではわかりませんでしたが、どうやらA男は既婚者でありながら、このマンションに住む女性と親しい関係にあったようです。あの無断駐車には、そんな事情まで隠れていたのかと驚きました。
商品が気に入っていても、誰から購入するかは私にとって大切なことでした。大きな買い物だからこそ、価格や条件だけで決めるのではなく、自分が納得したうえで購入したいと思った出来事でした。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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