彼「実家は古風」私「…?」
「うち、ちょっと古風だから、その辺よろしく」
彼から「そろそろ親に挨拶をしたい」と言われ、実家を訪れる日程について話していたときのこと。突然、彼からそんなことを言われました。
「古風」という言葉が何を意味しているのかわからず、少し戸惑ってしまった私。すると彼から、「両親から、少し意地悪なことを言われるだろうから」と言われたのです。
「意地悪なことを言われるの!?」と驚き、彼の両親に会うことが一気に不安になりましたが、それでも、このときの私は「彼と結婚するためなら、多少のことは乗り越えよう」と覚悟を決め、彼の実家へ向かうことにしたのです。
用意されていたのはダンボール箱
挨拶当日、緊張しながら彼の実家へ。部屋に通されると、私に「どうぞ」と示されたのは、なんと椅子代わりのダンボール箱でした。
ダンボール箱を目に思わず固まっていると、彼の母親から「うちの息子と結婚したいなら、私の言うことは聞けるよね?」とひと言。あまりにも時代錯誤な言葉に、私は驚きを隠せませんでした。
思わず彼を見ると、彼は何も言いません。母親を止めることも、私をかばうこともなく、ただその場を見ているだけ。
挨拶の前は「多少のことは乗り越えよう」と思っていました。けれど、実際に「その場」になった瞬間、理想の人だと思っていた彼への気持ちが、急速に冷めていくのを感じました。
私は恐る恐る、彼の母親に「これは……どういう意味でしょうか?」と尋ねました。
すると、「嫁になるなら一番低い立場から始めるもの」「私も同じようなことを経験してきた」「これを受け入れられないなら、息子との結婚は認めない」と言われたのです。
さらに、「あなたにふさわしい席を用意してあげたんだから、感謝してほしいくらい」とまで言われ、私は驚きと虚しさで言葉を失ってしまいました。
その場で別れを決意
「……わかりました。ありがとうございます」
私がそう言うと、彼の母親は満足そうな表情を浮かべました。
ただ、そこで私は……「彼とは別れます」とはっきり口にしました。
まさか私がその場で別れを告げるとは思っていなかったのでしょう。彼は驚いた様子で、「ちょっと待ってよ」と慌てて声をかけてきました。
確かに私は、この家に来る前、「彼と結婚するためなら、多少のことは我慢しよう」と覚悟していました。彼の両親ともできるだけ良い関係を築きたいと思っていましたし、考え方が少し違うくらいなら、歩み寄ることも必要だと思っていたのです。
けれど、実際に目の当たりにしたのは、そんな「多少の違い」で済ませられるものではありませんでした。
最初から「嫁は下の立場」と決めつけられ、私を試すような扱いをされても、彼は何も言わずに見ているだけ。私は、結婚するならどちらかが上でも下でもなく、対等な夫婦でいたいと思っていました。
この状況を彼自身も受け入れているのなら、この先も同じようなことが起きるたびに、私はひとりで我慢しなければならないのかもしれない。そう思うと、彼との結婚生活を想像することができなくなりました。
その気持ちを彼にも伝え、彼の母には「もう彼とは関わりません。失礼します」と頭を下げました。帰り際、彼の母親が「根性なしね」とポツリと呟いたのが聞こえてきましたが、私は振り返ることなく、彼の実家をあとにしました。
理想の彼だと思っていたけれど
彼から事前に「実家は古風だから」と聞いていたため、私なりに多少のことは受け止める覚悟で挨拶に臨んだつもりでした。それでも、実際に目の当たりにした彼の家族の価値観や、それを黙って受け入れている彼の姿は、私が想像していたものとは大きく異なりました。
結婚挨拶までは、まさに「理想の人」だった彼。しかし今回のことで、結婚となれば、家族との関わり方や、いざというときにパートナーがどう向き合ってくれるかも大切なのだと実感。
彼と結婚の話が出たときは、まさかこんな結末になるとは思ってもいませんでした。ただ、不思議なことに別れを長く引きずることはなく過ごしています。今は気持ちを切り替えて、次の恋愛に進みたいと思っているところです。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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