予約していた料理と違う!?
レストランに到着し、テーブルで料理を待つこと数分。「コースのお魚料理でございます」と、女性スタッフがお皿を運んできてくれたのですが、私は目を疑いました。
予約していたスペシャルコースの魚料理は、伊勢海老を使ったメニューだったはず。しかし、目の前に置かれたのは白身魚のグリルでした。
「このお料理、間違っていませんか? たしか伊勢海老だったかと……」
スタッフに尋ねましたが、「いいえ、こちらで合っています」と即座に否定。私も自信がなくなり、それ以上は言えず、食事を進めることにしました。
ちょうどそのとき、隣のテーブルから、男女の歓声が上がりました。
「すっげー、伊勢海老! 一番安いコースだったはずなのに豪勢~!」
「すごーい。最高のレストランだね!」
ケーキまで隣のテーブルへ
「一番安いコースで伊勢海老が出て、スペシャルコースでは出ないの?」と首をかしげつつも、誕生日を台無しにしたくなかった私は、彼との食事と会話を楽しむことに。
デザートの前、私はお手洗いへ。予約時には彼へのサプライズでバースデーケーキを追加していたため、「そろそろかな」と楽しみにしながら席へ戻りました。
すると、隣のカップルがケーキを食べています。すでに半分ほど食べ進めており、「隣も何かのお祝いなのかな」と思った程度で、特に気に留めませんでした。
その後、私たちには通常のデザートが運ばれてきましたが、食べ終えてもバースデーケーキは一向に出てきません。
「まだかな……」と気になったものの、彼には内緒のサプライズ。目の前でスタッフに確認するわけにもいかず、そのまましばらく待つことにしました。
「お客様、お会計がまだです!」
しばらくして彼がお手洗いに立ったため、私はスタッフにこっそり「予約していたバースデーケーキはまだでしょうか」と尋ねました。
すると、「こちらのお席ではケーキのご注文は承っておりません」との返答が! 電話で追加したつもりでしたが、うまく伝わっていなかったのかもしれないと思い、泣く泣くあきらめることにしました。
彼が戻る前に、そのまま会計も済ませることに。現金で支払い、領収書の宛名を伝えると、「後ほどお席へお持ちします」と言われました。
その後、彼が戻り、私たちは帰ることに。ところが領収書を受け取るのを忘れ、そのまま店を出ようとすると、男性スタッフから「お客様、お会計がまだです!」と引き止められたのです。
「え? さっき払いましたよ」と説明していると、後ろから先ほどのカップルの声が聞こえてきました。
「あれ、私たちまだ払ってなくない?」
「いいじゃん、会計済みみたいだし。ラッキーだな。行こうぜ!」
振り返ると、カップルの手には領収書らしき紙が。私は領収書を受け取っていなかったことを思い出し、思わず「あの、その領収書、私のかもしれません。名前を見せてください」と声をかけました。
店側が確認すると…
「店員がこれを持ってきたんだ! 会計済みになってたし……」と、慌てて立ち去ろうとするカップル。騒ぎに気づいた店長がやってきたため、私は料理やケーキの件も含めて事情を説明しました。
店側が確認したところ、料理とケーキは誤って隣のテーブルに提供され、私の支払いも隣のテーブルの会計として処理されていたことが判明。さらに、私の領収書まで隣のテーブルに渡されていました。
店長からは謝罪があり、予約していたコースを別の機会に無償で提供すると申し出が。隣のカップルも、自分たちの食事代を支払うことになりました。
その後、レストランをあとにした私たち。せっかくの誕生日が台無しになったようで落ち込んでいると、彼はにっこり笑ってくれました。
「いろいろあったけれど、僕はうれしかったよ。今日のためにたくさん調べて予約して、サプライズのケーキも考えていてくれたんだろう? 来年の誕生日も一緒に過ごそうね」
思わぬハプニング続きの夜でしたが、彼のやさしさをあらためて知ることができました。完璧にいかなくても、相手を思って準備した気持ちは伝わるのだと感じた出来事です。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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