集合場所に置き去りにされた僕
ある休日、会社恒例のBBQ大会が開かれました。会場までは、会社が手配した貸切バスで移動する予定です。
集合場所の駅前で出発を待っていると、幹事を務める同僚から電話がかかってきました。
「中卒は社内BBQ参加禁止な!バスはもう出発したからw」
驚いて周囲を見回すと、バスが走り去っていくところでした。同僚は運転手に「全員そろいました」と嘘をつき、僕を置き去りにしたのです。
「ちょっと待ってくれ。どうしてこんなことを……」
僕が問いかけると、同僚は笑いながら電話を切りました。その直後、彼から追い打ちをかけるようにメッセージが届きました。
『中卒には参加資格ないからwとっとと帰れ』
あまりにひどい言葉に、僕はしばらくその場から動けませんでした。
BBQ会場で広められていた嘘
このまま帰ったら、相手の思うつぼです。
僕は電車とタクシーを乗り継ぎ、遅れて会場へ向かいました。
ようやく会場に到着すると、同僚は肉を焼きながら、集まった社員たちに僕の悪口を言いふらしていました。
すぐに声をかけようかとも思いましたが、何を話しているのか確かめるため、少し離れた場所から様子を見ることに。
やがて、普段から僕を気にかけてくれている上司のAさんが、僕の不在に気づきました。
「あれ? 彼はどうしたんだ?」
すると同僚は、待っていましたとばかりにニヤニヤしながら答えました。
「あいつ、ドタキャンですよw急に行くのが面倒になったって。常識がないですよね」
僕を置き去りにするだけでなく、「勝手にドタキャンした非常識な社員」に仕立て上げるつもりだったようです。さすがに黙っていられません。
「僕ならここにいるよ」
声をかけると、同僚の顔から笑みが消えました。
「お、お前……なんでここにいるんだよ!」
「君に『中卒は参加禁止』と言われて置き去りにされたから、自力で来たんだ」
周囲がざわつくと、同僚は慌てて否定しました。
「違う! 俺はそんなこと言ってない!こいつが勝手に遅刻しただけですよ!」
しかし僕は、同僚から届いたメッセージをスマートフォンに表示し、みんなに見せました。動かぬ証拠を突きつけられた同僚は、何も言えずに青ざめました。

日頃の嫌がらせも明らかに
そのとき、別部署の女性上司が口を開きました。
「やっぱり、あなたの仕業だったのね」
女性上司は、今回の置き去りには気づいていなかったものの、同僚が普段から僕を学歴で見下していることを知っていました。会場に僕がいないと分かったときから、何かおかしいと感じていたそうです。
「あなたが彼に嫌な態度を取っているところは、これまでにも何度か見かけていたわ。まさか、会社の行事でこんな嫌がらせまでするなんて」
周囲から冷たい視線を向けられ、同僚は顔を真っ赤にしてうつむきました。
すると、上司のAさんが僕に頭を下げました。
「今まで気づいてやれなくて悪かった。うちの会社が評価するのは学歴ではなく、仕事に向き合う姿勢と実力だ」
そして同僚に向かって、きっぱりと言いました。
「人の足を引っ張る暇があるなら、自分を高める努力をしろ」
同僚は何も言い返せず、その後のBBQではすっかり小さくなっていました。
嫌がらせを続けた同僚の末路
後日、同僚は会社から厳重注意を受けました。ほかの社員からも、彼が日頃から僕を学歴で見下していたという証言が出たそうです。
それ以来、同僚からの嫌がらせはなくなり、僕は安心して仕事に取り組めるようになりました。
人の価値を決めるのは、学歴ではありません。
他人をおとしめて自分を大きく見せようとした同僚は、自らの言動によって職場での信用を失ったのでした。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう、固有名詞などを変更して構成しています。