「食道と胃、無事繋がりました」
食道が切れた状態で生まれてきたわが子。手術の影響で食道が細くなったようですが、母乳や育児用ミルクを与えるには問題がないとのことでした。
手術後、NICUに向かった茜さんの胸はドキドキしっぱなし。案内された保育器には、たくさんの管に繋がれた娘がいました。抱くことはおろか、触れることもできない状況です。
「また、来るね」
顔だけ見て、すぐ病室に戻ることになった茜さん。その目には、たくさんの涙があふれていました。小さな娘の痛々しい姿を見て、胸が締めつけられて仕方がなかったのです。
まだ触れることのできない娘






娘は「先天性食道閉鎖症」と診断されました。
保育器で眠るわが子を心配そうに見つめ、「がんばって」と心の中で告げる茜さん。触れることもできない状況の中、赤ちゃんを抱いている他のママを見て、羨ましいと感じるのでした。
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「先天性食道閉鎖症」とは、生まれつき食道が胃とつながっていない状態の病気です。食道が途切れているため、生まれてきた赤ちゃんは母乳や育児用ミルクを飲むことができず、出生後すぐに手術が必要となります。発生頻度はおよそ5,000人に1人とされており、赤ちゃんの体がつくられている最中、気管と食道が分離するときに何らかの異常が起きて発生するといわれていますが、原因はまだ完全には解明されていません。
実は、羊水過多症と先天性食道閉鎖症には関係があることがあります。食道が途切れていると赤ちゃんが羊水をうまく飲み込んで吸収することができないため、羊水過多症につながることがあるのです。ただし羊水過多症は他の多くの疾患でも起こるため、必ずしも先天性食道閉鎖症を示すものではなく、茜さんのケースのように「生まれてみないとわからない」ということも少なくありません。
NICUでの治療中は、たくさんの管につながれたわが子にすぐに触れることも抱くこともできない、とても苦しい時間が続くこともあります。それでも、搾乳を届けること、そっと声をかけること、ただそばにいてあげること——
そうした小さなひとつひとつが、赤ちゃんへの大切なサポートになるのではないでしょうか。
監修者:松井潔(小児科 | 医療法人産育会 堀病院)
著者:いもやまようみん
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いもやまようみん