夫に手術の付き添いを頼んだら
脳の病気で倒れ、手術を受ける大学病院でも数例しか実績がないという、高難度の手術を受けることになりました。予定されていた手術時間は17時間。不安を抱えながら、夫に「付き添いをお願いしてもいい?」と伝えました。
すると返ってきたのは、
「え、なんで俺? 仕事あるんやけど? 俺がいる意味ある?」
という言葉でした。耳を疑うとは、まさにこのことでした。
届かなかった最後の願い
それならせめて、手術前に子どもたちを抱きしめたいと思い、病院へ連れてきてほしいとお願いしました。「もう両腕で子どもたちを抱きしめられなくなるかもしれない」という思いがあったからです。
しかし夫から返ってきたのは、「は? 病院まで連れてきて、そのあと学校に連れて行けってこと? なんで?」という言葉でした。
手術中、家族にできるのは待つことだけだということも、小学生の子どもたちを病院へ連れてきた後、学校まで送る負担があることも理解していました。同居する義父母も「そらまぁ、あの子は仕事やし……」と、夫をかばうばかりでした。
私の中には、手術後に片側の手足が動かなくなったり、言葉を話せなくなったりするかもしれないという不安がありました。そんな手術を前に、最後に子どもたちを抱きしめたいと願った私の気持ちは、夫や義父母には届きませんでした。
手術後も忘れられない家族との温度差
手術は無事に終わりましたが、後遺症として軽度の半身まひが残りました。子どもたちは今でも「200%お母さんの味方」「お母さんが大好き」と言ってくれます。その言葉が、私にとって何よりの支えです。
夫の言葉と態度は衝撃的でしたが、現在も離婚はせず、義父母との同居も続けています。しかし、笑顔で過ごしながらも、心の中では一日でも早くこの環境を離れたいという思いを抱えています。
まとめ
夫や義父母との温度差に傷つく一方、子どもたちの言葉には今も支えられています。家族であっても思いが伝わるとは限らないことを痛感し、自分が安心して過ごせる環境について改めて考えるきっかけになった出来事でした。
医師による解説:脳の手術前後に知っておきたいこと
脳の手術では、病気や手術部位によって、手足のまひや言葉の障害が残る場合があります。手術前の不安は、医療スタッフに伝えることも大切です。
病気や手術部位で異なる主な後遺症
脳は、手足を動かす、言葉を話す、物事を理解するといったさまざまな機能を担っています。そのため、病気や手術の部位によっては、片側の手足のまひや言葉の障害などが残る場合があります。起こり得る症状や程度は一人ひとり異なるため、手術前に担当医の説明を聞き、わからない点を確認しておくことが大切です。
手術前の不安は医療スタッフに相談を
大きな手術を前に、不安や恐怖を感じるのは自然なことです。「家族に会いたい」「ひとりで抱えるのがつらい」といった希望や気持ちは、医師や看護師に伝えてみましょう。家族の協力を得にくい場合は、院内の相談窓口や医療ソーシャルワーカーに相談する方法もあります。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
監修:菊池大和先生(医療法人ONE きくち総合診療クリニック 理事長・院長)
著者:内野良子/50代女性・アルバイト
イラスト:はせがわじゅん
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年8月)
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