旅先で嫌味な同僚とばったり
A男は以前から仕事の成果を大げさに自慢したり、ほかの同僚の仕事ぶりに余計なひと言を添えたりするタイプでした。僕も何度か「もっと要領よくやれば?」などと言われており、正直A男のことは苦手です。
ホテルでばったり会ったA男の隣には、華やかな雰囲気の女性がいました。彼女のB美というようで、2人で旅行に来たようです。一方、僕の彼女は長時間の移動ということもあり、メガネにパーカー、パンツというラフな格好でした。
僕が彼女を紹介すると、A男は上から下まで眺めてニヤリとし、「へえ。お前の彼女、結構地味なんだな」と言い放ったのです!「は? なんだよそれ?」と僕が怒ると、A男はB美を見ながら、「俺の彼女はいつもおしゃれだからさ。付き合うならやっぱりこういう子がいいよな」と笑ったのです。
腹が立って言い返そうとすると、僕の彼女がそっと腕をつかんで「いいよ。せっかく旅行に来たんだから、行こう?」と僕を制します。気まずそうな表情を浮かべているB美を横目に、僕たちは部屋へ向かいました。
再びA男と遭遇すると…
その夜、僕たちはホテル内のレストランを予約していました。部屋でひと休みしたあと、彼女は食事に合わせてワンピースに着替え、髪もきれいに整えました。
すると、レストランの前でまたしてもA男とB美に遭遇。
僕の隣にいる彼女を見るなり、A男は驚いた様子で「えっ……さっきの彼女!? 本当に同一人物かよ?」と尋ねてきました。「そうだけど」と答えると、A男は「なんだよ、最初からそういう格好してればいいのに」と鼻で笑ってきたのです。
B美の怒りが爆発!
その瞬間、ずっと黙っていたB美が険しい表情になり、「さっきから何なの?」と声を上げました。
「え?」と固まるA男に、B美は「人の彼女を見た目で勝手に評価するとか非常識すぎる。私のことまで比較に使わないで」と怒りをあらわにします。
B美はずっと不満を抱えていたようで、「前から私の見た目ばっかり友だちや会社の人に自慢するの、嫌だったんだよね」と続けました。A男は慌てて「褒めてるだけだろ」と反論しますが、B美はなおも険しい表情のままです。
「私はあなたのアクセサリーじゃない! もう部屋に戻るから」と告げ、B美はその場を離れていきました。
数日後、A男に変化が
旅行から数日後、会社でA男から「あのときは悪かった」と謝罪されました。どうやらあの一件をきっかけに、B美とかなり話し合ったようです。
「俺、人と比べて自分が上だって思いたかったのかもしれない」と珍しく落ち込んだ様子のA男に、僕は「僕の彼女をけなしたことは絶対に許さない。人から嫌われたくないなら、もっと態度を見直したら?」と返しました。
その後、A男とB美がどうなったのかは知りません。ただ、A男が以前のように、ほかの同僚に嫌味を言ったり、外見で誰かを笑ったりすることはなくなりました。
一方、僕の彼女は旅行を思い出すたび、「あの日、パーカーで行ってむしろ正解だったかも」と冗談めかして笑います。あれだけ失礼なことを言われても引きずらず、いつも通りに過ごしている彼女。その芯の強さを、僕は心から尊敬しています。
今回の出来事を通して、他人と自分を比べて優劣をつけたり、誰かを見下したりする態度は、結局は周囲からの信頼を失うことにつながるのだと感じました。僕も誰かと比べて人を評価するのではなく、その人自身を尊重できる人でありたいです。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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