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「口が動かない」産後2カ月、鏡に映った顔にショック。翌朝、症状が進み受診した結果【医師解説あり】

産後しばらくは赤ちゃん中心の生活で、寝不足が続いていました。自分のことは後回しで、食事や休息も十分に取れない状態。それでも「自分で何とかできる」と思い込み、周囲に頼ることなく過ごしていました。そんなある夜、思いもしなかった異変が私の顔に起きたのです。【医師解説あり】

この記事の監修者
監修者プロファイル

医師鷲尾有司先生
わしお耳鼻咽喉科 院長

日本耳鼻咽喉科学会認定専門医、日本アレルギー学会認定専門医。大阪市立大学医学部卒業。大阪市立大学大学院医学研究科外科系専攻を修了し、通年性アレルギー性鼻炎に対する免疫療法で医学博士取得。2011年に兵庫県西宮市に「わしお耳鼻咽喉科」開院。
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鏡を見て気付いた異変

産後は寝不足が続き、母乳育児でおなかは空くのに、すぐ食べられるものが近くになく、空腹のまま過ごすことも多くありました。妊娠中に飲んでいたサプリメントも、面倒になってやめていました。発症との因果関係はわかりませんが、今思えば、「全部自分でやれる」と思い込み、ひとりで抱え込んでいたのだと思います。

 

まだ外出もままならない産後2カ月ごろのある夜、突然口が動かしにくいことに気付きました。触ると違和感があり、慌てて鏡を見ると、口元が片方だけ下がっていました。「口が動かない……」とショックを受けたことを覚えています。

 

翌朝にはさらに症状が進み、病院を受診すると顔面神経まひ(がんめんしんけいまひ/表情筋を動かす顔面神経に障害が起こり、顔が動かしにくくなる病気)と診断されました。妊娠中や産後に発症することもあるそうですが、私の場合は産後の発症だったため、医師からは比較的珍しいと言われました。

 

顔の片側が動かず、母乳育児を一時中断

顔の片側はまったく動かず、片目も閉じられない、口もしっかり閉じられない状態でした。涙が止まらず、飲み物や食事も思うように口にできませんでした。

 

本当なら赤ちゃんにたくさん笑いかけたい時期なのに、医師からは「顔をできるだけ動かさないように」と言われました。できることは、医師の指示に従って薬を飲み、体を休めること。顔を温めることについても、医師に確認しながら続けました。

 

最もつらかったのは、母乳育児を一時的に中断しなければならなかったことです。当時は、医師から薬を飲んでいる間は授乳を控えるよう説明され、このまま表情が元に戻らなかったらという不安もありました。それでも子どものために治療を優先しようと決断しました。

 

 

ぎこちない子どもの笑顔を見て

1カ月ほど経過し、子どもが笑うようになりました。しかし、私の片側だけが動く表情をまねしているようにも見える、どこかぎこちない笑顔だったのです。その姿を見たときは、とても切ない気持ちになりました。

 

治療には十分な睡眠が必要だったため、家族みんなに助けてもらい、できるだけ休める時間を作ってもらいました。それでも以前に近い表情を取り戻すまでには何カ月もかかり、今でも顔の動かしにくさなどの後遺症があります。

 

まとめ

この出来事を経験し、「頑張りすぎないこと」も育児には大切だと実感しました。家族や保健師、相談窓口など、頼れる相手に早めに相談することも、自分と赤ちゃんのために必要だと感じました。2人目の育児では、この経験を教訓に、周りの人に積極的に頼るようになりました。

 

医師による解説:産後の顔面神経まひと受診の目安

顔の片側が動かしにくい、口元が下がる、目が閉じにくいなどの異変は、早めの受診が大切です。

 

顔の異変は早めに受診を

顔面神経まひでは、顔の片側が動かしにくくなり、口元が下がる、目が閉じにくい、飲み物がこぼれるなどの症状が出ることがあります。

 

原因としては、単純ヘルペスウイルスや水痘・帯状疱疹ウイルスの再活性化などが関係すると考えられています。疲労やストレス、体調の変化が背景になることもありますが、原因を1つに特定できない場合もあります。

 

発症早期の治療が大切とされるため、異変に気付いたら早めに耳鼻咽喉科・頭頸部外科などを受診しましょう。ろれつが回らない、手足に力が入らない、激しい頭痛など顔の動き以外の症状もある場合は、脳の病気が関係している可能性もあるため、救急受診が必要です。

 

授乳中の薬は医師に相談を

顔面神経まひの治療では、症状や原因に応じて薬が使われることがあります。授乳中に使用できる薬もありますが、薬の種類や量、赤ちゃんの状態によって判断が異なるため、自己判断で授乳を中断したり、薬をやめたりせず、医師や薬剤師に相談することが大切です。

 

休息と目の保護も大切に

目が閉じにくい状態が続くと、目の乾燥や傷につながることがあります。点眼薬や眼帯などが必要になる場合もあるため、医師の指示に従ってケアしましょう。産後は睡眠不足や疲労が重なりやすい時期です。体の異変を感じたときは、ひとりで抱え込まず、家族や周囲の人に頼りながら休める環境を整えることも大切です。

 

 

※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。

※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。

 

監修:鷲尾有司先生(わしお耳鼻咽喉科 院長)

著者:西川あんり/30代女性・主婦

イラスト:はせがわじゅん

 

※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年8月)

 

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