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「辞めたい」と言ったスタッフに無理なシフト。「映えるカフェ」でワンオペを続けた私の決断

夫の転勤を機に、新しい土地で仕事を探し始めました。なかなか採用に結び付かず焦る中、自宅近くのカフェで働けることになりました。未経験の私を受け入れてくれた職場でしたが、実際に働いてみると、外からは見えなかった事情が少しずつわかってきました。

 

難航する職探しの中で

夫の転勤に伴って前職を辞めた私は、新天地で仕事を探すことになりました。経済的な余裕もあまりなく、できれば1日でも早く働き始めたい状況でした。

 

求人情報を見ながら積極的に応募しましたが、最終面接で求人票とはまったく異なる条件を提示されたり、採用の連絡を受け、手続きのために訪れた先で「申し訳ないけれど、本部の意向で、この話はなかったことにしてほしい」と告げられたりしました。今振り返っても、「運がなかったのかもしれない」と思うような出来事が続きました。

 

そんなとき、自宅から徒歩5分ほどの場所にある、いわゆる「映える」カフェの求人を見つけました。飲食店で働いた経験はなく、この仕事に向いているという自信もありませんでしたが、わらにもすがる思いで応募しました。

 

面接では、不利になるかもしれないと思いながらも、飲食業の経験がないことや、業務への適性に自信がないことを正直に伝えました。

 

それでも、面接を担当した店長は「一から教えるから大丈夫」と言ってくれ、その場で採用が決まりました。

 

見えてきた店の人手不足

働き始めると、店の人手が足りていないことに気付きました。目が回るほど忙しいランチタイムでも、私を含めた2人だけで店を回さなければなりませんでした。

 

さらに、この店では、テイクアウト用のケーキを、お客さまが希望するサイズにその場でカットして渡していました。シュークリームも、その都度、お客さまの目の前で規定量のクリームを手作業で詰めなければなりませんでした。

 

どちらも、提供に手間と時間がかかる商品でした。そのため、お客さまから「早くしてよ!」と怒られることも少なくありませんでした。

 

店の評判を聞いて来店した方から、「シュークリームなんて、ショーケースから出すだけでしょ!」と言われたこともあります。クリームをその場で詰めていることを説明すると、その方は苦々しい表情を浮かべて黙りました。

 

こうした忙しい状況が続く中、スタッフは次々と辞めていきました。無断で欠勤するスタッフも目立つようになり、やがて、ランチタイムを1人で回す日も増えていきました。

 

 

ワンオペが増える日々に耐えられず

その後、辞めたいと申し出たスタッフに対し、無理のあるシフトが組まれていることを知りました。私も辞めたいと思っていましたが、退職の意思を伝えれば、同じようなシフトを組まれるのではないかと不安でした。

 

また、そんな状況でも、店長は残ったスタッフに

 

「私みたいな人間だってできることなんだよ? 私ですらできるんだよ?」

 

と強い口調で言い、さらに、

 

「1年前のスタッフの布陣はよかった」

「あのころのスタッフたちなら余裕で店を回せるのに」

 

と、以前のスタッフと今の私たちを比べるような言葉を口にすることもありました。

 

そのような言葉を聞きながら働く中で、当初は自分を否定する気持ちが強かったものの、そのうち「店長にはできて私にはできないことがある一方で、私にはできて店長にはできないこともあるのではないか」と考えるようになりました。

 

そして、別の仕事であれば自分の力を発揮できるのではないかと思い、職業訓練校に通い、資格を取る道を選びました。

 

店長には、まず「自分には店長のように動くことができず、ご迷惑をおかけして申し訳ない」と伝えました。

 

そのうえで、「自分が活躍できる道を探すため、職業訓練校に通うことにした」と説明しました。通学中はシフトに入れる時間が限られるものの、可能な限り最後まで店の力になりたいことと、職業訓練を修了したら退職したいことも伝えました。

 

すると、無理のあるシフトを組まれることはほとんどなく、半年後、穏やかに店を辞めることができました。

 

まとめ

あのカフェで働いたことで、できないことがあっても、それだけで自分そのものを否定する必要はないのだと気付きました。

 

店長と同じように動けない自分を責めるのではなく、自分に合う場所を探すという考え方ができたことは、大きな学びでした。

 

つらい経験ではありましたが、あの時間があったからこそ、自分の向き不向きと向き合い、次の道を選べたのだと思います。

 

 

※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。

 

著者:磯辺みなほ/30代女性。ゲーマー。発達障害がある夫と2人暮らし。大変なことも多い中、それ以上にネタと笑顔にあふれる毎日を送っている

イラスト:ゆる山まげよ

 

※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年8月)

 

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