ビジネス用語を連発する若手社員
プレゼンが始まると、若手社員は自信に満ちた表情で、「わが社の次のアジェンダは、アジリティを持って、アサインされたリソースのシナジーを最大化し、パラダイムシフトを起こすことです!」と話し始めました。
ここぞとばかりにビジネス用語を並べ、堂々と発表を進めていきます。横文字を使いこなしていることに自信を持っているのか、表情もどこか誇らしげに見えました。周囲の社員たちも、その勢いに圧倒されているような様子でした。
一方、システムエンジニアとして複数のプロジェクトに携わってきた私は、使われている言葉の使い方やつながりが曖昧なことに気付きました。「カタカナが多いな。でも、ここまで続くと一周回っておもしろいかもしれない……」と心の中で思いながら、発表を見守っていました。
人前を避けてそっと伝えることに
プレゼンが終わり、休憩時間になりました。私は、大勢の前で指摘すれば、若手社員に恥をかかせてしまうかもしれないと思いました。そこで、彼とすれ違った際に、小さな声で話しかけました。
「発表、お疲れさま。堂々としていてよかったよ。ただ、『シナジー』の部分は、何と何を組み合わせて、どのような相乗効果を生み出すのかを具体的にしたほうが伝わりやすいかもしれないね」と、できるだけ威圧的にならないよう、笑顔で伝えました。
すると、先ほどまで自信満々だった若手社員は一瞬動きを止めました。「えっ……。俺、皆の前で意味が伝わらない使い方をしていましたか?」と言って、冷や汗をかいたように気まずそうな表情を浮かべ、苦笑いしたのです。
若手社員の反応を見て感じたこと
私は、彼を責めたいわけではありませんでした。入社したばかりで、自分を少しでも仕事ができる人に見せたいという気持ちがあったのかもしれません。ビジネス用語を使おうとしたこと自体が悪いのではなく、言葉の意味が聞き手に正しく伝わらなければ、せっかくの発表もわかりにくくなってしまいます。
彼の反応を見ながら、私自身も、指摘の仕方には気を付けなければならないと感じました。改善したほうがよい点に気付いたとしても、大勢の前で指摘すれば、相手の自信や意欲を傷つけてしまう可能性があります。今回、休憩時間にそっと伝えたことで、彼も素直に振り返ることができたように見えました。
ビジネス用語を並べた若手社員のプレゼンを通して、言葉は難しさよりも、相手にきちんと伝わることが大切なのだと改めて感じました。
まとめ
若手社員の伝え方に改善点があると気付いたときは、正しさを示すことだけではなく、相手が受け止めやすい伝え方を選ぶことも必要です。今回の出来事は、指摘する側にも相手への配慮が求められるのだと気付かせてくれました。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
著者:小谷真司/60代男性・アルバイト
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年8月)
※一部、AI生成画像を使用しています。
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