モラハラ夫との生活に疲弊
「俺は男だから」という理由で家事には一切協力せず、私が残業で遅くなった日でも「総菜なんて食えるか。手料理を作れ」と無理な要求をしてきます。少しでいいから家のことを手伝ってほしいとお願いしても、「家事は女の仕事だろ? それに、どうせ俺がやったって非効率だし」とはねのけられます。
それどころか、少しでも自分の思い通りにならないことがあると、「本当に使えないやつだな」と平気で悪態をつくのです。
そんな夫との生活に、私は慢性的なストレスと疲労を抱えていました。ある日の午後、職場でひどい胃痛と立ちくらみに襲われた私は、早退して帰宅することにしました。駅へ向かう途中、夫から「今日、後輩を家に連れて帰るからうまい飯の準備を頼む」とメッセージが届きました。
「体調が悪くて早退したから、今日は無理」と返信すると、すぐに夫から怒りの電話がかかってきました。
「後輩に手料理を振る舞うって約束したんだよ! お前マジで使えねえな! 嫁選びを間違えたわ!」
一方的に電話を切られ、悔しさと情けなさで涙があふれました。その直後、駅の階段でめまいを起こして転倒してしまったのです。
動けなくなった私は救急車で運ばれ、左足の骨折が判明しました。入院の準備を進める中で、早退の原因だった胃痛についても検査を受けたところ、急性胃潰瘍を起こしていると告げられました。医師からは「ストレスの影響も考えられます」と言われ、骨折の治療と合わせて2週間の入院が決まりました。
あきれた要求と浮気を疑わせる出費
病室のベッドから夫に入院することになったとメッセージを送ると、夫はひどく動揺した様子でした。しかし、それは私を心配してのことではありませんでした。
「えっ、2週間も!? じゃあ俺の飯はどうすんだよ? 洗濯は誰がやんだよ」
自分のことしか考えていない夫の言葉に、私はあきれて何も返せませんでした。
そしてその日、夫は見舞いにすら来ませんでした。その後も連絡はなく、数日たったころ、カード会社から一通のメールが届きました。メールは、今月の利用額が私の設定していた上限額に近づいていることを知らせるものでした。
嫌な予感がして、夫婦の生活費用として夫に持たせていた家族カードの利用明細をスマホで確認すると、そこに並んでいたのは……高級ブランド店やジュエリーショップと思われる店名、さらに高額な飲食店での決済がずらり。たった1カ月でこんなに使ったのかと手が震えました。
もちろん私がもらった物はなく、行った店でもありません。私が家事と仕事に追われて苦しんでいる間、夫はどこかの女性に貢いでいたのでしょう。そう思わざるを得ませんでした。ストレスの原因は、威圧的な態度のほかにも、無意識のうちに夫の浪費や浮気の気配を感じ取っていたからだったのかもしれないと思いました。
そんな中、ようやく夫からメッセージが届きました。しかし内容は……。
「来週、俺の誕生日じゃん?」
「欲しい腕時計があるんだよね。30万! 頼む!」
私の稼ぎをあてにした図々しい要求にあぜんとしました。結婚して以来、夫が私に何かプレゼントしてくれたことなどありません。それなのに、自分の誕生日には高価なプレゼントを要求。そもそも、夫はおしゃれには無頓着な人でした。そんな夫が腕時計を欲しがるなんて……。この約1カ月の間に、身なりを気にするようになる大きな変化があったのでしょう。
私はあえて「わかった。準備しておくね」と返信しました。すると夫から「久しぶりにお前と結婚してよかったと思ったわ!」と浮かれた返事が来ました。この瞬間、私は離婚を決意したのです。
夫に最高の誕生日プレゼント
退院の日、その日は偶然にも夫の誕生日当日でした。私は自宅には戻らず実家へ向かいました。そして夫が仕事から帰宅するまでの間に、両親の協力を得て自宅から自分の荷物を運び出しました。最後に、きれいに片付いたリビングのテーブルの上に、記入済みの離婚届と、家族カードの利用明細のコピーを置いて家を出ました。
夜遅くに帰宅した夫から電話がかかってきました。
「どういうことだ!? お前の荷物がないし、それに離婚届って! せっかくの誕生日なのに気分を悪くさせるな!」
「お誕生日おめでとう。離婚届は私からのプレゼント。今までありがとう」
そう伝えたあと、私が家族カードの利用履歴について問い詰めると、夫はしどろもどろになりながら必死に言い訳を始めました。
「何でも完璧にできる高給取りの妻に甘えていたんだ。悪かった、家事もこれからはやるから! 離婚は勘弁してくれ」
「家事を一切手伝わなかった理由を『自分がやると非効率だから』って言っていたよね? 私より給料が低くて、家事もせず、家族カードまで好き勝手に使う。あなたと歩む人生こそが、私にとって一番の『非効率』だって気づいたの。誰にお金を使ってるのか知らないけど、お幸せにね」
私がそう告げると、夫は言葉を失いました。
その後、弁護士を通じて離婚協議を進めました。話し合いの結果、夫が家族カードを私的に利用した分を精算。最終的には浮気も認めたため、慰謝料を支払うことで合意し、離婚が成立しました。義両親も夫の身勝手さにあきれ果て、一切の援助を拒否したそうです。夫はそれらの支払いに追われ、苦しい生活を送ることになりました。
私は今、実家で心身を休めながら、自分のために生きる穏やかな生活を取り戻しています。
◇ ◇ ◇
入院することになった妻を心配するどころか、自分の食事や家事、高価な誕生日プレゼントのことばかり考えていた夫。さらに、家族カードを好き勝手に使い、浮気まで疑われる状況では、信頼関係を保つのは難しいでしょう。
夫婦はどちらか一方が相手に尽くして成り立つものではなく、お互いの体調や気持ちを思いやり、支え合うことが大切です。もし自分を大切にしてもらえない関係に苦しんだときは、無理に我慢を続けず、自分の心や生活を守るための選択をしたいですね。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
※一部にAI生成画像を使用しています。