母のやさしさを当たり前だと思っていた
若いころの私は、母に対して素直になれない性格でした。
母は毎日、私のためにお弁当を作ってくれました。体調を崩したときには、そばで看病もしてくれました。しかし当時の私は、母がしてくれることを当たり前のように受け止め、「ありがとう」と口にすることはほとんどありませんでした。
結婚して家を出てからも、素直に感謝を伝えられないままでした。母に感謝していなかったわけではありません。それでも、いざ言葉にしようとすると照れくささが勝ってしまい、きちんと伝えられないままでした。
入院しても言えなかった「ありがとう」
そんな母が体調を崩し、入院することになりました。そのとき私は初めて、「もっとやさしくしておけばよかった」と強く後悔しました。お見舞いに行くたびに、これまでの感謝を伝えようと思っていました。
ところが、母を前にすると、どうしても素直な言葉が出てきませんでした。結局、私が口にできたのは「無理しないでね」という言葉だけでした。「ありがとう」と伝えられないまま、母は亡くなってしまいました。
台所で思い出した母の姿
母が亡くなった後、実家の台所に立ったことがあります。そこで、毎日家族のために食事を作り、休むことなく動いていた母の姿を思い出しました。これまで母がしてくれたことの一つひとつがよみがえり、胸がいっぱいになりました。
あのとき、たったひと言でも「ありがとう」と伝えられていたら――。今でも、そう思わずにはいられません。
母に感謝を伝えられなかった後悔があるからこそ、それ以来、夫や子どもには、小さなことでも感謝を言葉にするようになりました。
まとめ
大切な人への感謝は、心の中で思っているだけでは伝わらないことがあります。「いつでも言える」と思っていても、その機会が突然なくなってしまうかもしれません。母に感謝を伝えられなかった経験から、私は照れくさくても、そのとき感じた「ありがとう」を言葉にすることの大切さを学びました。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
著者:佐藤和子/50代女性・主婦
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年8月)
※一部、AI生成画像を使用しています。
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