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妊娠してから疲れやすい…妊娠中に疲労をためないためにできること3つ

この記事では医師監修のもと、妊娠中に疲れやすい理由、また疲労をためないためにできることをお話しします。ホルモンバランスの変化によって、だるさや眠気などの妊娠中特有の症状に悩まされることがあります。睡眠・食事・運動の習慣を見直すことで、疲れをためにくい体づくりをすることができるので、この機会に見直してみましょう。

この記事の監修者
監修者プロファイル

医師太田 篤之 先生
産婦人科 | おおたレディースクリニック院長

順天堂大学卒後、派遣病院勤務を経て、平成22年より順天堂静岡病院周産期センター准教授就任。退職後、平成24年8月より祖父の代から続いている「おおたレディースクリニック」院長に就任し現在に至る。
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妊娠してから疲れやすい…妊娠中に疲労をためないためにできること3つ

 

今回は、妊娠中に疲れを感じやすい理由と、疲労をためないためにできることについてお話しします。

 

妊娠中に疲れを感じやすい理由

妊娠すると、女性ホルモン(エストロゲン・プロゲステロン)の分泌量が劇的に変化して、母親のおなかの中で赤ちゃんが育ちやすい環境を整えます。ホルモンバランスの変化によって、だるい・眠いなど妊娠中に特有な症状に悩まされたり、つわりや食欲の変化によって妊娠前のような食事ができなかったり、体を自由自在に動かせなかったりなど、妊娠による心身の変化によって疲れを感じやすくなります。なかには睡眠不足によって日ごろの疲労を回復できていない妊婦さんもいます。

 

妊娠中の疲れやすさは、妊娠前の体力や筋力の程度によっても左右されます。疲れやすさを感じる期間も人それぞれです。 また、悪阻や切迫流産、切迫早産など一時的に安静にしていた後は、体力や筋力が回復する過程にあるため、疲れを感じやすいことがあります。 そのほかに、妊娠に伴う貧血や甲状腺機能に異常があると疲れを感じやすい妊婦さんもいますが、妊婦健診の際におこなう血液検査と適切な治療を受けていれば、日常生活に支障をきたすほどに疲れを感じることはないはずです。

なかなか疲れがとれず日常生活がままならない場合は、早めに産婦人科を受診して相談しましょう。

 

妊娠中に疲れをためないためにできること

妊娠に伴う心身の劇的な変化によって疲れを感じやすくなりますが、日ごろの生活習慣を見直すことで、疲れをためにくい体づくりをすることは可能です。

 

①十分な休息と睡眠時間を確保する

睡眠不足になると、日常生活に緊張感が続いたり、疲れがたまりやすくなります。なるべく同じ時間帯に眠ったり起きたりしましょう。十分な休息や睡眠時間を確保せずに「疲れやすい」「疲れた」と言っている妊婦さんも少なくありません。赤ちゃんは生まれて3カ月もすると昼夜の区別がつき、朝型の生活リズムになりますので、妊娠中から生活リズムを整えていくためにも早寝早起きが理想です。

 

熟眠感を得られる睡眠時間は妊婦さんによって異なります。夜間ぐっすり眠れない場合は、昼寝をうまく取り入れるなど工夫して睡眠リズムを整えましょう。仕事をしている場合や、上の子のお世話などでなかなか時間の確保が難しい場合は家族で相談して、妊婦さんが休める時間を意識的に作りましょう。

 

②栄養バランスのとれた食事を心がける

つわりの時期は食べやすいものを食べましょう。つわりがない、あるいはつわりの時期が過ぎたら、主食、主菜、副菜でいろいろな食材を摂るように心がけましょう。疲れをためにくい健康的な体づくりのためには、栄養バランスのよい食事を食べることが大切です。なにか特定の食材を摂ることにこだわったり、妊婦が飲める栄養ドリンクに頼る必要はありません。胎児の成長発達のために、母親が健康的な食事を食べることや食習慣をもつことは重要です。

 

妊娠前からあまり水分を摂らない、または妊娠中のむくみや頻尿が気になるなどの理由で積極的に水分を摂らない女性もいますが、妊娠中は血液循環を促すことや脱水を予防することが大切です。水や麦茶など、糖分やカフェインを含まない飲み物を意識的に摂取しましょう。

 

③適度な運動をして体力を養う

妊娠中に適度な運動をおこなうことは、心肺機能や筋力、体力の維持に効果的なため、妊娠期間を快適に過ごすことに役立ちます。また、妊娠中から体力を養うことで、産後の赤ちゃんのいる生活に、疲れにくい体を準備することができます。

 

妊娠12週以降で正常な妊娠経過であること、妊婦健診で医師、助産師から運動を禁止されていなければ、運動をしても大丈夫です。 妊娠経過が順調であれば、1日あたり10分程度のストレッチや、15~30分程度の散歩を日常に取り入れると良いでしょう。妊娠前から定期的な運動習慣がない方でも、無理なく続けられる程度の運動でかまいませんので続けましょう。妊娠中の体力維持だけでなく、出産時や産後のための体力づくりにも役立ちます。

 

高血圧、糖尿病、肥満などの妊娠中の合併症の予防と治療を目的とする運動については、医師や助産師、運動指導をするトレーナーから専門的な指導と助言を受けて、十分に注意しておこないましょう。

 

疲れがとれにくいときの受診や相談するタイミング

睡眠や食事、運動などの習慣を見直しても疲れやすいという場合は、身体的な変化によるものだけではなく、精神的なストレスによって疲れやすいと感じている可能性があります。

 

日ごろから緊張や不安が続いていたり、周囲の人のサポートを物足りなく感じているならば、思っていることや感じていることを夫(パートナー)や家族、友人など身近な相手に話してみましょう。話すことで気持ちが軽くなったり、具体的な解決策が生まれるかもしれません。

 

何をやっても「疲れやすい」「疲れる」と感じる場合や、身近な人に上手く話せない場合は、担当医や助産師、居住地の保健師などに相談しましょう。専門家と話すことで解決策が見つかるかもしれません。  

 

まとめ

妊娠中は、心身の変化によって疲れを感じやすくなることはよくあることです。妊娠中の疲れやすさは、妊娠前の体力や筋力の程度によって左右されるため、個人差はありますが、睡眠・食事・運動の習慣を見直すことで、疲れをためにくい体力づくりをすることはできます。 なかなか疲れがとれず日常生活がままならない場合は、早めに産婦人科を受診して相談しましょう。  

 

<参考>

・産婦人科診療ガイドライン産科編2017

・周産期メンタルヘルス コンセンサスガイド2017

・妊娠中から始めるメンタルヘルスケア 2017年発行 日本評論社

 

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    この記事の著者
    著者プロファイル

    助産師古谷真紀

    一般社団法人産前産後ケア推進協会プロジェクトリーダー。大学病院勤務を経て、2015年より現職。妊娠中や産後の女性のココロとカラダの相談、ママパパ&赤ちゃんのちょっと気になるコトに日々応えています。

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