コスパ命の夫
服はフリマ以外で購入してはいけない、電気がもったいないから22時には家全体を消灯、子どもに習い事はさせない、勉強は夫が教える……これらは夫の倹約令です。
買い物をするときもコスパ重視は当たり前で、娘がかわいいキャラクターの鉛筆が欲しいというと、コスパが悪いと怒ります。おかげで娘の持ち物は、幼児とは思えないほど質素です。
しかしわが家はそこまでお金に困っているわけではありません。実際に夫はこっそりスマホを最新機種にしたり、季節ごとに新しい洋服を買い足したりと、プチ贅沢をしているのを知っています。だから、私もこっそり娘と2人でお出掛けをして、買い物をするなどして楽しんでいました。
ランドセルは「無駄遣い」!?
ある週末、私は娘と出掛ける約束をしていました。目的は、春から使うランドセルを買うこと。このときばかりは娘が気に入ったものを買うと決めています。
すると夫は、私が無駄遣いをすると思ったのか、一緒に行くと言い出しました。ランドセルだけは夫に口を出されたくなかったのですが、仕方がありません。夫と一緒にデパートの特設売り場に向かいました。
目の前には色とりどりのランドセルが並んでいます。娘が目を輝かせながらランドセルに手を伸ばそうとすると、夫は不機嫌そうに口を開きました。
「ランドセルなんて買わないぞ! わざわざ高いカバンを買う必要なんてない。家にあるリュックを使えばいいんだ!」
周りの子がみんなランドセルを背負う中、家にあるリュックではかわいそうだと伝えても、夫は聞きません。カバンなんて荷物が入ればなんでもいいと反論してきます。
理由を聞くと、想像していたよりも遥かに高額な値段を見てびっくりした様子。数年しか使わないランドセルに何万円もかけるのは無駄だと言うのです。さらには、体操着や学用品もすべて家にある代用品で済ませろと言い出しました。
このまま公衆の面前で言い合いをするわけにもいかないので、私はとにかくその場から去ろうと、娘の手を引いて歩き出しました。夫はそんな様子に気付かず「無駄遣いを阻止できてよかった」と笑っています。
娘の本音を知って……
夫から離れたことを確認した私は、娘に「ランドセル、今度は2人だけで買いに来ようね」と言いました。すると娘は安心した顔を見せました。
自分のランドセルを楽しみにしていた娘。よくよく話を聞くと、家で勉強を教えてくれる夫の丸付けはいつもミスだらけで、教わったことも間違いばかりなのだそう。
さらに娘は、家族に過度な節約を強いるわりには、自分だけ欲しいものを好きに買っていることにも気付いていたらしく、そんなパパはいらないとバッサリ!
今まで娘からパパを取り上げるのは……と躊躇していましたが、娘の気持ちがわかれば行動あるのみ。私は、後日夫に離婚を切り出しました。
すると夫からは「勝手にしろ。俺の稼いだ金でお前たちに無駄遣いされるくらいなら、別れたほうがマシだ!」という返事が……。面倒くさそうにスラスラと必要書類にサインをしてくれました。最後まで自分のお金のことしか考えていない夫には、本当にガッカリです。
夫の隠し事が明るみに!
その後、私は離婚届を提出。娘とランドセルを買いに出掛け、ついでに入学に必要なものを一式買い揃えました。私が大荷物を持って帰宅したのを見て、夫は案の定激怒。
しかし、私は「もう家族じゃないので、ご心配なく!」と言い、買い物に行く前に離婚届を提出したことを報告しました。
「俺がここまで必死に会社の備品を持ち帰ってまで、家計を節約してやってたのに!」
離婚に焦った夫は、自分がいかに節約に貢献していたかをアピールするためか、信じられない自爆発言をしてきました。
夫は「節約」と称して、日常的に会社のコピー用紙や文房具、トイレットペーパーなどを大量に無断で持ち帰っていたのです。今まで「不要品をもらってきた」という夫の言葉を信じていた私は、そのあまりのセコさと倫理観のなさに呆れ果ててしまいました。
私は家の中に溜め込まれていた会社の備品をすべて段ボールに詰め、宛名のない手紙を添えて夫の会社に送り返すことにしました。それをきっかけに会社が備品の在庫確認などの調査をした結果、夫の常習的な備品の無断持ち出しが次々と発覚。会社の信用を損なう行為として、厳しい処分がくだったといいます。
私たちが家から出ていったあと、夫は実家で引きこもりになってしまったと噂で聞きました。一方の私はというと、娘と楽しく過ごしています。小学生になった娘は、お気に入りのランドセルを背負い、かわいいイラストが入った文房具で楽しく勉強しています。そんな娘のために、私ももっと仕事を頑張ろうと思う日々です。
節約や「コスパ」を意識することは生活していくうえで大切ですが、それが行き過ぎて家族の気持ちや笑顔を奪ってしまっては本末転倒です。子どもの人生や家族の幸せを「コスパ」だけで計るのではなく、本当の意味での豊かさとは何かを見失わないようにしたいですね。
※本記事は、ベビーカレンダーに寄せられた体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。