英会話教室で隣になった女性
体験レッスン当日、私は開始時間より少し早めに教室へ向かいました。事前に希望を伝え、日常会話だけでなくニュースや身近なテーマについて自由に話すクラスを体験することになりました。参加者は私を含めて6人ほど。私より若い人が多いようでしたが、年齢は特に気にしていませんでした。
席に着いて教材を眺めていると、隣に座った30代くらいの女性が「今日、初めてですか?」と話しかけてきました。私が「ええ。今日は体験で参加しました」と答えると、女性は私の教材をちらりと見て言いました。
「このクラス、結構英語で話さないといけないんですよ」
私は「そうみたいですね」と答えました。
すると女性は少し笑いながら、
「初心者クラスのほうがいいんじゃないですか?」
と言ったのです。
「英語は若いうちじゃないと」
突然の言葉に戸惑っていると、女性はさらに続けました。
「私、英語を勉強して長いんですけど、覚えることが多くて大変なんですよ。英語って、やっぱり若いうちからやっていないとなかなか難しいですし」
私は、まだ英語を一度も話していないのに、なぜ初心者だと決めつけられたのだろうと不思議に思いました。
私が「このクラスを受けてみたかったので、今日は参加してみようと思ったんです」と答えると、女性は、「まあ、実際にやってみたらわかると思いますけど」と笑いました。
私は少し引っかかりましたが、言い返すことはせず、レッスンが始まるのを待ちました。
やがて外国人講師が教室に入ってきました。
外国人講師から突然質問されて
レッスンが始まると、講師は一人ひとりに英語で自己紹介をするよう促しました。順番が回ってきたため、私が自己紹介をすると、講師は「とても自然ですね」と笑い、そのままいくつか質問をしてきました。
仕事を辞めてからどのように過ごしているのか、なぜこのクラスに参加したのかなどを聞かれ、私は講師としばらく英語でやりとりをしました。ふと隣を見ると、女性は会話に耳を傾けるようにこちらを見ていました。
会話がひと区切りついたところで、講師から、「ずいぶん慣れていますね。長く英語を使っていたんですか?」と聞かれました。
私はうなずきました。実は、私は定年まで勤めた会社で、海外の取引先との商談や会議の通訳を任されることも多くありました。英語を使うことは長い間、私の日常の一部だったのです。仕事を離れてから英語を話す機会が減ったため、感覚を鈍らせたくないと思い、今回この教室に参加していました。
その後のグループトークでも、私はほかの参加者と英語で意見を交わしながらレッスンを楽しみました。
終了後、荷物を片付けていると、隣に座っていた女性が少し気まずそうに、「お仕事で通訳もされていたんですね。最初、失礼なことを言ってしまって……すみません」と謝ってくれました。
私は、
「年齢だけでは、何を経験してきたかはわかりませんからね」
とだけ返しました。
私自身、久しぶりに英語で長く会話をしたことで、仕事をしていたころの感覚が少し戻ったように感じました。レッスンの雰囲気も気に入ったため、その後、このクラスに通うことを決めました。
まとめ
まだ英語を話していない段階で初心者だと思われたことには戸惑いました。一方で、久しぶりに英語で会話をしたことで、長年の仕事で身につけたものが今も自分の中に残っていると実感。新しい場所に一歩踏み出したことで、自分自身の経験や強みに改めて気付く機会になりました。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
※AI生成画像を使用しています
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