泣きながら現れた妹
ある日、A美が泣きながら僕の家を訪ねてきました。その日の朝、B男から電話で「好きな人ができたから結婚できない」と告げられたと言うのです。
「相手の女性とはもう付き合ってるの?」とA美が尋ねると、B男は「まだ付き合ってない。俺の気持ちが変わっただけ」と繰り返し、詳しいことは話してくれなかったとのこと。
ここからが問題でした。すでに結婚式場も予約済みなのに、B男は「キャンセルとかはそっちでやっておいて」とA美に丸投げ。そしてそのまま、音信不通になってしまったのです。
「昨日まで普通に『結婚式が楽しみ』って話してたのに……もう何もわからない」と憔悴しきって泣いているA美を見て、僕はB男への怒りを抑えられませんでした。
B男を問いただすと…
A美とB男は友人の紹介で知り合い、交際へ発展しました。B男と連絡がつかなくなった数日後、事情を知ったその友人からA美へ連絡が。
「婚約破棄された」とA美から聞いた友人も「入籍直前に!? あいつ……ありえない」と憤慨したよう。その友人はB男の同僚だったため、職場でB男を捕まえて事情を尋ねてくれたそうです。
最初は「浮気じゃない。好きな人ができただけ」と言い張っていたB男。しかし友人が「その人とはいつから会ってるの?」などと話を掘り下げていくと、最終的に「付き合い始めたのは先月」と口を滑らせたのだとか。
A美が婚約破棄されたのは数日前。明らかに時期が重なっています。
友人が「は!? 婚約中じゃん」と指摘すると、B男は「そのころにはもうA美への気持ちは冷めてた」「まだ結婚したわけじゃないんだから、誰と付き合おうが俺の自由だろ」と開き直ったらしく……。
その話を聞いたA美は、しばらく言葉を失っていました。
妹に丸投げして音信不通に
とはいえ、結婚式場への連絡やキャンセルに伴う費用の負担など、まだB男と話し合わなければならないことが残っています。
ところがA美が何度電話しても、B男は出ません。僕からも連絡してみましたが、無視されてしまいました。
このまま逃げられては困ります。
そこで僕は、やむを得ずB男の実家へ何度も電話しました。ようやくご両親と話ができ、事情を説明すると、思いがけない返事が返ってきたのです。
B男の実家へ電話すると!?
「え……? 息子からは『A美から結婚をやめたいと言われた』と聞いていますが」
どうやらB男は、自分に都合のいいように嘘をついていたようです。僕が婚約破棄までの経緯や、婚約中から別の女性と交際していたことを伝えると、ご両親は絶句。
「そんな話、まったく聞いていません。本人にきちんと説明させます」と言って、すぐにB男へ連絡してくれました。
その後、逃げ続けていたB男はようやくA美のもとへ。話し合いの結果、結婚式場のキャンセル費用はB男が負担することになったそうです。
A美はしばらく落ち込んでいましたが、「まぁ縁がなかったのかもね。結婚しなくてよかった」と少しずつ前を向けるように。
A美には今度こそ、誠実で大切にしてくれる人と幸せになってほしいと思っています。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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