家族が結婚式をドタキャン
僕は、幼なじみのAと結婚することになりました。彼女は、僕が仕事や家族のことで悩んでいたときも、ずっとそばで支えてくれた大切な存在です。
結婚が決まるまで、僕は両親と弟のBと実家で暮らしていました。共働きだった両親に代わり、昔から料理や掃除、買い物などをすることが多く、「長男なんだからしっかりしなさい」と言われて育ちました。
一方、弟は家事をほとんどしなかったものの、両親もそれをとがめることはありませんでした。
僕がAとの結婚を機に家を出ると伝えると、両親は強く反対しました。僕がいなくなれば、これまで担っていた家事をする人がいなくなり、困ると考えたようです。
それでも、僕はAとの生活を大切にしたいと思い、何度も話し合った末に実家を出ることにしました。
家を出たあと、両親から生活費の負担についてそれとなく聞かされるようになりました。僕も育ててもらった感謝があったため、毎月まとまった額のお金を送るようになったのです。
その後、両親も僕たちの結婚を受け入れてくれたものと思っていたのですが……。結婚式当日、開始時間が迫っても家族は現れませんでした。
会場スタッフから、まだ到着していないと告げられた僕は、慌てて父へ電話をしました。
すると父から返ってきたのは、「俺たちは行かない」という言葉。反対を押し切って家を出たお前は、もう家族ではないというのです。電話の向こうでは母も同調し、弟からも「もう絶縁でいいだろ」と言われました。
あまりに突然の話に、僕はしばらく言葉を失いました。
「じゃあ、毎月の仕送りもやめる」
けれど、そこまではっきり「家族ではない」と言われたことで、僕も気持ちが固まりました。
僕は、絶縁するというのなら受け入れると伝え、その代わり、これまで毎月続けていた仕送りも終わりにすると告げました。
すると父は、それまでの強気な態度から一転。「それとこれとは別だ」と反発し、さらに、今まで育ててきた恩を忘れたのかと責めてきたのです。
その言葉を聞いた僕は、これまでずっと感じていた疑問を口にしました。
「じゃあ、Bは?」
僕には「長男だから」と家事をさせ、家を出てからも金銭的な負担を求めてくる両親。それなのに、同じ大人である弟にはほとんど何も求めない。その差を指摘すると、父は言葉に詰まりました。
それでも父は、「Bはいいんだ」と、理由にもならないことを言ってきました。
そもそも、「もう家族ではない」「絶縁する」と言い出したのは家族のほうです。それなのに、僕にだけ家族としての役割を求め続けるのはおかしいと伝え、僕は電話を切りました。
式のあと、家族から大量の着信が
直前に思いがけない出来事はありましたが、Aや彼女の家族、友人たちに支えられ、結婚式は無事に終わりました。
式後にスマホを確認すると、家族から何十件もの着信が残っていました。
このままでは連絡が続きそうだと思い、一度だけ電話をかけ直すことに。すると父は、先ほどの絶縁の話を撤回したいと言ってきました。
あまりにも都合のいい言葉に、僕はあきれてしまいました。そんな僕に、そばにいたAが「もう、無理しなくていいんじゃない?」と声をかけてくれて……。
その言葉に背中を押され、僕は父に、「これからは、新しい家族のためにお金も時間も使っていきたい」と伝えました。
そして、そのまま電話を切り、その後は両親と距離を置くことにしました。
しばらくして、弟から一度だけ連絡がありました。僕からの支援がなくなったことで、両親はこれまでのようにはお金を使えなくなり、家計を見直しているそうです。
今回のことで、家族だからといって、どんな扱いにも我慢し続けなければならないわけではないのだと気づきました。
これからは、自分を大切にしてくれるAとの家庭を何より大事にしていきたいと思っています。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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