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義母「また女の子なんて…子どもと出ていって!」→お望み通りにすると「ひとりの夜が怖いの」義母が懇願したワケは

義父が亡くなってから、私たち夫婦は夫の実家で義母と同居していました。義母は、夫の家が本家筋で、昔は地主だったことに強いこだわりを持つ人です。

第一子の性別が女の子だとわかった日。報告すると、義母の表情が固まりました。

「男の子じゃないのね。うちは本家なんだから、跡取りがいないと困るの。お嫁さんは男の子を産んで初めて一人前なのよ。まあ、次に期待するしかないわね」

「子どもは2人までだと夫婦で話していて……」

「だったら、次は絶対に男の子を産んでもらわないと。まさか、あなた『女腹』じゃないでしょうね?」

女腹とは、女の子ばかりを産む女性を指して使われていた言葉です。しかし当然ながら、子どもの性別が母親によって決まるわけではありません。

それなのに義母は、おなかの子が女の子だったことを受け入れられず、まるでそれが私のせいであるかのように責めてきたのです。

娘が生まれてからも、義母の言葉は続きました。夫は部署が変わって出張続き。ワンオペのなか、夜中にひとりで娘をあやしていると、翌朝きまって言われます。

 

「抱っこ癖がついてるのよ。育休中なのに家事も雑だし、息子の出張が多いのも、家で安らげないからじゃない?」

 

寝不足のなか、「私のせいなのかな」とひとりで泣いた夜もありました。

 

なんとか耐えて、1年ほどが経ったある日、娘が義母に向かって『抱っこ』と両手を伸ばしたときのこと。義母はちらりと見ただけで、部屋に戻っていきました。生まれてから一度も、義母が娘を抱いたことはありません。

 

私はどう扱われてもいい——。でも、この子にだけはこんな思いをさせたくありません。その夜、出張先の夫にビデオ通話で全部を打ち明けました。

 

義母は夫の前では穏やかで、私がこんな仕打ちを受けているなんて思ってもいませんでした。私も告げ口のように思えてしまい、ずっと言えずにいたのです。

 

黙って聞いていた夫は、ぽつりと言いました。

 

「気づかなくてごめん。跡取りなんて考えたこともない。娘が生まれた日、嬉しくて車の中で泣いたんだ。家を出よう。ちゃんと準備する」

 

夫は異動希望を出し、新居探しを始めてくれました。ちょうど2人目の妊娠もわかり、引っ越しは出産後に決めました。「母さんには全部決まってから俺が話す」という夫の考えで、計画は秘密です。

 

「息子と離婚してちょうだい」

それから数カ月後。夫の海外出張中に陣痛が来て、難産の末に生まれたのは、また女の子でした。

 

入院中、長女は実家の母が預かってくれていました。夫の帰国は仕事の都合で延びたまま……。退院を翌日に控えた夜、義母からメッセージが届きました。

 

『2人目まで女の子なんてね。きっと3人目も無理ね。息子とは離婚してちょうだい。あの子には、男の子を産んでくれる人と再婚してもらうわ。出ていくなら、子どもたちも連れていってね』出産をねぎらう言葉はどこにもありません。

 

私は『わかりました。その言葉、忘れないでくださいね』とだけ返しておきました。

 

翌日、退院した私は、そのまま次女を連れて実家へ里帰りしました。数日後には帰国した夫が実家へ駆けつけてくれ、「今問い詰めても、話がこじれるだけだ。引っ越しを済ませてから、俺から話す」と言っていたので、私はすべて任せることにしたのです。

 

温泉旅行の本当の意味

1カ月健診を終えた週末のこと。旅行先の宿から、義母が弾んだ声で電話をかけてきました。

 

「息子が温泉旅行をプレゼントしてくれたのよ。あなたのことを話したら『ゆっくりしてきて』って労ってくれたの。これで自分の立場がわかったでしょう?」


「お義母さん。夫がどうしてその旅行を贈ったか、わかりますか? 今日、引っ越しなんです。いま夫が業者さんと荷物を運び出しています。お義母さんが家にいたら、落ち着いて作業できないので」と私は伝えました。

 

義母は「……引っ越し?」と、状況が理解できない様子。そこで私は「出ていくのは私だけじゃありませんよ? 夫も一緒です」と続けました。

 

これが夫の作戦でした。義母が温泉旅行から帰ってきた夜、夫は自分の口から義母に説明したそうです。引っ越し先を伝えるつもりはありません。

 

「寂しくて仕方がないの」

引っ越しから1カ月後、再び義母から電話がありました。「戻ってきて」と何度頼んでも、夫は首を縦に振らなかったようです。

 

「謝るから戻ってきて。孫もちゃんとかわいがるわ。私も姑に厳しくされて、そういうものだと思ってたの。夫が亡くなってから息子しかいなくて……ひとりの夜が怖いのよ」

 

この人は、私が憎かったというより、息子を取られるのが怖かったのかもしれない——そう思いました。それでも、娘を無視したあの日のことは忘れられません。

 

「この先のことは夫と話してください」そう伝えて、電話を切りました。

 

その後の私たち

あれから1年近くがたちました。夫のいとこから聞いた話では、義母は最初、親戚の集まりで私の悪口を言っていたものの誰にも取り合ってもらえず、最近は顔を出さなくなったそうです。夫は月に一度だけ、義母に安否確認の電話をしています。

 

夫は出張の少ない部署に異動し、寝かしつけもお風呂も積極的に担当してくれるようになりました。そして私も仕事に復帰。長女は保育園で元気に走り回り、次女は最近よちよち歩きを始めました。

 

性別で人の価値が決まるなんて、あってはいけないことです。2人が「女の子に生まれてよかった」と思える家にしたい——。夫と一緒に、これからも大切に育てていきます。

 

◇ ◇ ◇

 

男の子も女の子も、生まれてきてくれた大切な命であることに変わりはなく、性別によって子どもの価値に優劣がつくことはありません。どんな子どもも、その子らしく愛されながら育っていける環境を、周りの大人たちがつくっていきたいですね。

 

 

【取材時期:2026年8月】
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

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ライターベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班

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