会社に行かないと…




ある朝、認知症の義父がいつものようにスーツに着替え、ネクタイを締めていました。すでに仕事は引退しているのですが、「遅刻する!」とカバンを持って玄関へ向かいます。
そこで「今日は会社、お休みみたいですよ」と声をかけると、「そうか……」と納得した様子。
その後、義父はスーツもネクタイも着けたままソファでぐっすり。慌てていた姿とのギャップに、思わず苦笑いしてしまいました。
【医師からのアドバイス】
認知症のある高齢者が、すでに退職しているにもかかわらず「仕事に行かなければ」と考えたり、出勤の支度をしたりすることがあります。これは、現在の状況よりも、長年続けてきた仕事や生活習慣の記憶が強く残っていることなどが影響している場合があります。本人にとっては「今も仕事に行く必要がある」という感覚が現実のものになっていることもあります。 そんなときに「もう仕事は辞めたでしょ」「今日は会社なんてないよ」と強く否定すると、混乱や不安、怒りにつながることがあります。「今日は会社、お休みみたいですよ」「少しゆっくりしてからにしましょう」など、本人の気持ちを受け止めながら安心できる声かけをすることが大切です。無理に事実を理解してもらおうとせず、別の話題や休憩に自然に誘導する方法もあります。 一方で、外へ出ようとする行動が頻繁になったり、ひとりで出かけて帰宅できなくなったりする場合には、安全面への配慮が必要です。行動の頻度や時間帯、きっかけなどを記録し、必要に応じてかかりつけ医や地域包括支援センター、ケアマネジャーなどに相談しましょう。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
監修/菊池大和先生(医療法人ONE きくち総合診療クリニック 理事長・院長)
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
※一部、AI生成画像を使用しています。
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シニアカレンダー編集部
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