妊娠初期にはガスがたまってお腹が張ったり、痛みが生じたりということが多くみられます。このような症状はどうして起こるのでしょうか?そしてその対処法にはどのようなものがあるのかお話しします。
Q.腸にガスがたまり、お腹がパンパンに張っています。
妊娠14週の経産婦です。3週間ほど前から腸にガスがたまり、お腹の張りを感じています。お腹がパンパンに張って苦しく、立って家事などをしていると下腹部が痛くなってきます。たびたび横になっていますが、お腹が張った感じは横になっても改善されません。 ここしばらく毎日この症状が続いており、特に夕方から朝にかけて強くなります。朝はあまり感じません。妊娠中期に感じるような、下腹部が固くなるようなお腹の張りではないことはわかります。それだけに、余計なお腹の張りが生じていいものかと不安になります。 担当医の先生からは「妊娠中は腸の動きが鈍くなるから仕方ない」と言われていますが、妊娠中でなければ市販の消泡薬を飲みたいところです。お通じはきちんと出ていて残便感はありません。このような症状が出ることは、よくあることなのでしょうか?妊娠週数が進めば、自然に解消されるのでしょうか?整腸剤などを処方していただいた方が良いのでしょうか?
A.便秘の時と同じような対策をとりましょう。
妊娠中は、黄体ホルモンの影響や増大した子宮の圧迫で腸の運動が妨げられ、腸の内容物がすみやかに移動しにくくなります。そのため、腸内で不必要な細菌の働きが生じ、胃腸内にガスが充満します。これを「鼓腸」(こちょう)と呼びます。 豆類や揚げ物、甘いお菓子などを食べすぎるとガスが発生しやすくなりますので控えめにしましょう。また、一般的な便秘対策と同様に、規則正しい食生活を送る、冷たい水や牛乳を飲んで便を出しやすくする、食物繊維を多くとる、お腹を温める、散歩などの適度な運動で腸管運動を促進する、といった対策を実行してみると良いでしょう。 それでも効果が感じられないようなら、整腸剤の使用を検討した方が良いと思われます。(回答/天神尚子先生)
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