赤ちゃんの予防接種は生後2カ月から実施可能になっていますが、さまざまな種類を複数回接種する必要があり、スケージュール管理に頭を悩ませるママもいらっしゃるかと思います。ですが、今、あるワクチンが不足しているという話をご存知でしょうか?
不足しているワクチンって?
今回、ワクチン不足が問題になっているのは、Hib(ヒブ=インフルエンザ菌b型)による感染症を予防する「Hibワクチン」です。
Hibワクチンは定期予防接種の1つです。生後2カ月~5歳の誕生日前日まで接種でき、標準的なスケジュールでは、4~8週間隔で3回、3回目から7カ月~13カ月以上あけて4回目を接種します。この予防接種を受けることで、重篤なHib感染症にかかるリスクを95%以上減らすことができると報告されています。
Hib感染症とは?
Hibはヒトからヒトに飛沫感染し、特に乳幼児で発生に注意が必要であると言われています。名称に「インフルエンザ」とついていますが、季節性のインフルエンザとは別のものです。
Hibに感染しても症状が出ない場合もありますが、肺炎、敗血症、髄膜炎、化膿性の関節炎などの重篤な病気を引き起こすことがあります。そして、これらを起こした子どものうち3~6%が亡くなり、特に髄膜炎の場合は、生存した子どもの20%に難聴などの後遺症を残すと言われています。
Hib感染症の予防接種は受けられないの?
Hib感染症の予防接種に使われるワクチンに添付されている注射器の針にサビが発生し、製造販売会社が1月28日以降、出荷を一時見合わせているとのことです。現在、原因の調査中で、今月末までに製品の出荷を再開するか、製造販売会社と厚生労働省が判断するそうです。
また、厚生労働省は、ワクチンが不足しやむを得ない場合には、特に医師が必要と認める場合などを除き、可能な限り1回目および2回目の接種を優先することとしています。
新型コロナウイルスによる感染症が広がりつつあるなか、予防接種が受けられないとなると不安も増してしまうかもしれません。まずは、月末の報告を待つしかないという状況ですが、今後の情報に留意し、予防接種のスケジュールなどはかかりつけの小児科に相談しましょう。