母と喧嘩した翌朝…
それは、冷え込みの厳しい冬のある日のことでした。前日の夜、私は同居している母と、本当にささいなことで口喧嘩をしてしまいました。内容自体は思い出せないほどのことだったのですが、朝になっても私はどうしても素直になれず、リビングには気まずい空気が流れていました。
しかも、その日の朝から生理が始まり、おなかには鈍い痛みが。体調がすぐれない上に母との気まずい雰囲気も重なり、私は朝からすっかり気分が落ち込んでいました。
本当は頼みたいけれど…
さらに、その日は私がお風呂掃除の当番でした。季節は真冬。生理中でなくても気が進まない冬場のお風呂掃除を、この体調でするのはかなり億劫で……。
「正直に体調が悪いと伝えて、今日だけ母に代わってもらおうかな」とも考えました。しかし、前夜に喧嘩をしたばかりだったため、どうしても声をかけづらかったのです。
「サボっていると思われたらどうしよう」「ふてくされて家事をしないと思われるのも嫌だな」と考えてしまい、結局、母に頼むことができませんでした。
母のひと言に救われて
私はリビングのストーブの前にうずくまり、お風呂掃除を始める前に少しでもラクになればと、じっとおなかを温めていました。すると、そんな私の様子を見た母が「体調悪いの?」と声をかけてきました。
私はまだ気まずさが残っていて母と目を合わせられず、「ああ、うん、生理」と短く答えました。本当は、「おなかが痛くてお風呂掃除がつらいから代わってほしい」と言いたかったのですが、意地を張ってしまい、素直に言えなかったのです。
「仕方ない、自分でやろう」と思って立ち上がったそのときでした。母が「いいよ、お風呂掃除は代わるから、休んでなよ」と言ってくれたのです。
母の言葉を聞き、私は昨夜の喧嘩を気にして意地を張っていた自分が急に恥ずかしくなりました。「ふてくされていると思われたくない」とひとりで考え込み、素直に頼ることができずにいたのです。
そんな中、私の様子に気づき、体を気づかってくれた母のやさしさが、冷えた体と心にじんわりと染み渡りました。
体調がすぐれないときでも、周囲にうまく頼れず、ひとりで抱え込んでしまうことは今でもあります。けれど、あの日の母のやさしさを思い出すたびに、つらいときには意地を張らず、言葉にして頼ることも大切なのだと感じています。
著者:三峰しおん/20代女性・行政(福祉部署)や不動産の営業事務に従事。趣味は散歩と掃除です。
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2026年6月)
※AI生成画像を使用しています。
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