「正直つらい…」やっと退院できた息子との生活は想像以上に大変だった

2020/10/15 18:25
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長い入院を経て人工呼吸器をつけ退院した息子さんを、自宅でケアすることになったママの体験談を紹介しています。ケアの大変さやご家族への影響、退院前にしておけばよかったことをお話ししてくれています。
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「横隔膜ヘルニア」という先天性疾患を抱えて生まれたお子さんを持つママの体験談をお届けする連載企画です。横隔膜ヘルニアとは、本来胸とおなかの臓器を隔てている横隔膜に生まれつき穴が開いており、その穴からおなかの中の臓器が胸の中に出てきて心臓や肺を圧迫してしまう病気。 おなかの子が横隔膜ヘルニアであると診断された妊娠中から出産までのできごとやママが感じた不安、生まれたお子さんの様子やその後の治療についてご紹介していきます。


 

先天性横隔膜ヘルニアの手術後、長い入院を経て退院した末っ子の息子。人工呼吸器をつけた状態で不安はあったものの、やっと家族みんながそろって喜んでいました。

しかし、退院したのは4月。上の子は幼稚園に入園したばかりです。入園直後のごたごたのなかで、医療的ケア児を抱えた生活はつらいものがありました。

 

今回は、人工呼吸器をつけた息子をケアするうえで大変だったことや、上の子たちへの影響についてご紹介します。

 

アラームが鳴りやまなかった退院直後

退院した息子は人工呼吸器や血中酸素濃度を測る機器などをつけており、扱いが繊細で非常に大変でした。血中酸素濃度を測る機器は足の親指につけているのですが、値が下限を下回るとアラームが鳴ります。最初は固定が甘く、少し足を動かすだけではずれてアラームがよく鳴りました。

 

また人工呼吸器にも、はずれたり、回路の途中に問題があったりしたときのアラームがあります。回路に結露がたまるだけでアラームが鳴ってしまうのです。


センサーの固定方法や結露がたまりにくいような回路を見つけるまで、3日くらいはかかったと思います。息子は寝ていて、危険な状態でもないのに、毎晩電子音にたたき起こされる日々は非常につらかったです。

 

服薬に苦戦!初めての授業参観も遅刻

息子は当時1日3回服薬していましたが、そのなかに苦くて溶けづらい薬が混じっており、飲ませるのに毎回苦戦していました。息子が嫌がるのはもちろんのこと、大人用の錠剤を砕いたその薬は他のものより粒子が大きく、しばしばスポイトに詰まってしまうのです。


退院してすぐに上の子の初めての授業参観があったのですが、服薬に手間取って家を出るのがギリギリになってしまったせいで駐車場があいておらず、30分以上遅刻してしまいました。

 

本来母親と一緒にするはずだった自己紹介などを、上の子が先生の膝でうつむきながらおこなっている写真をあとから見て、もっと上の子のことを優先して動けばよかったと後悔する気持ちでいっぱいになりました。

 

幼稚園で胃腸炎が流行!家族全滅の危機

息子の人工呼吸器の扱いにもだいぶ慣れ、少し落ち着いてきたころ、普段滅多に吐かない上の子が嘔吐しました。1回吐いただけでその後は元気だったので食べ過ぎかなと思っていたのですが、次の日に下の子と夫も具合が悪くなり、同じ症状に。翌日、担任の先生から「胃腸炎でクラスの10人以上が欠席している」という連絡を受けたときにはすでに遅く、私もかかっていました。


医療的ケア児の息子にうつらないか、うつったらどんなに危険な状態になるのか本当に怖くて、息子の病院に泣きながら「もう一度入院させてください」と電話をしてしまったほどです。結局息子にうつることはありませんでしたが、あのときの不安は忘れることができません。


今思う、準備しておけばよかったこと

冷静になった今考えると、もう少しきちんと準備していれば防げたトラブルもあったと思います。特に、病院側が提案してくれていた「退院のトライアル」。退院のトライアルは、定めた日数を家で生活してみて家での生活ならではの問題点を洗い出し、トライアル終了後、子どもが病院に戻ってから落ち着いた状態で問題の解決策を考える時間を持ちます。

 

しかし、わが家はとにかく早く息子を退院させてあげたいと思う一心でトライアルを1回しかおこなわず、家にいたのも1日だけでした。退院のトライアルをもっと長い期間数回にわたっておこない、退院のスケジュールを綿密に立てていれば、もっと問題は少なかったはずです。

 

 

喜ばしいはずの退院だったのに、たった1週間で家族全員が疲弊する結果になってしまいました。ひとりで入院している息子を見ているとかわいそうで、つい退院を焦ってしまいましたが、退院後は想像以上に大変。上の子にも負担がかかってしまったので、退院が延びても万全の準備をしておけばよかったと思います。

 

※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。

 

 

監修/助産師REIKO


著者:岩崎はるか

2女1男の母。両実家とも遠方のためワンオペ育児中。先天異常の影響で肺が片方しかない医療ケア児を含む3人の子を育てた育児体験談のほか、大学院で農学を学んだ経験から食についても執筆。


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