定期予防接種の1つであるHibワクチン。ワクチンに添付されている注射器の針にサビが発生し、製造販売会社が1月28日以降、出荷を一時見合わせていたため、ワクチン不足となっていました。2月25日、厚生労働省はサビが発生した原因の調査結果と今後の見通しについて公表しました。
サビの原因は?
製造販売業者は、調査等の結果、注射器の製造などに問題は認められず、今回のできごとは複数の要因が重なることにより偶発的に発生したものと結論づけました。これをふまえ、製造販売会社は出荷前の検査を強化するとしています。
また、厚生労働省は製造販売業者に対し、抜本的な解決に向けて必要な対応をおこなうよう指導したとのことです。そして自治体に対して、Hibワクチンを取り扱う際は引き続き目視などで異常がないか注意深く確認すること、サビが発生したものの使用を避けるよう、関係団体や医療機関に周知するよう伝えています。
ワクチン不足はどうなった!?
今回の調査を受けて、ワクチンの供給不足は解消されるとのこと。3月は 57.1 万本の供給を予定しており、2019 年の実績(28.5万本)と比較しても、今後、十分な量のワクチンが供給される見込みだそうです。
万が一、サビが発生した注射針を使用した場合の影響については、局所的な炎症性反応(注射したところが赤くなる、痛みが生じる、熱を持つ)などが生じる可能性は否定できないものの、全身性又は重篤な健康影響が生じる可能性は低いとしており、今のところ、健康被害の報告はないとのことです。
今回不足したHibワクチンは、Hib 感染症に対して日本国内で承認されている唯一の予防接種ワクチンです。ワクチン不足の影響を受けて予定通りに予防接種ができなかった……という方もいらっしゃるでしょう。スケージュール通りに予防接種ができなかった場合でも、定期接種が可能な期間であれば、引き続き定期接種としての接種が可能とのこと。今後の予防接種のスケージュールはかかりつけの小児科医に相談しましょう。ワクチン不足が解消されて一安心ですね。
■参考:厚生労働省 「乾燥ヘモフィルス b 型ワクチン(破傷風トキソイド結合体)(販売名:アクト ヒブ)の供給遅延の解消について」