「見慣れない車がずっと停まっている…」離れて暮らす高齢の両親が心配

- Nさん(50歳)のケース
地方にある実家で、高齢の両親が二人で暮らしているというNさん。
ある日、実家を訪れた際、家の近くに見慣れない車が停まっていることに気づきました。
「最初は近所に用事がある人かなと思ったのですが、しばらく経っても同じ場所に停まっていたんです。両親に聞いても、誰の車かわからないと言っていて……」(Nさん)
そのときは何事もありませんでしたが、闇バイトを実行役とする強盗事件などのニュースを目にするたび、離れて暮らす両親のことが気になるようになったそうです。
「両親は高齢ですし、一戸建てに二人で暮らしています。もし家が狙われていたとしても、本人たちは気づかないかもしれません。突然強盗に入られたらと思うと心配です」(Nさん)
強盗や侵入犯罪が起きる前に、一般家庭でも気づける兆候はあるのでしょうか。
また、離れて暮らす高齢の家族を守るために、普段からどのような対策をしておけばよいのでしょうか。
【警視庁に聞いた】「闇バイトによる強盗などの防犯対策」

- 今回取材したのは【警視庁】
警視庁とは、東京都を管轄する警察組織です。
警視庁の最新情報については、警視庁公式HPをご確認ください。
画像出典: 警視庁「警視庁本部見学『来て・見て・発見!』警視庁」
出典: 警視庁「警視庁なんでも図鑑」
結論:強盗や侵入盗の前には「下見」とみられる不審な行動が目撃されることも!家の周囲を覗く、写真を撮る、不自然な訪問などに「おかしい」と感じたら躊躇せず110番を
闇バイトを実行役とする強盗や侵入犯罪に対して、「突然襲われたら防ぎようがないのでは」と不安に感じる人もいるでしょう。
警視庁によると、強盗や侵入盗の標的となった住宅では、犯罪が実行される前に不審者が目撃されていることがあるとのことです。
普段見慣れない人物が家の周辺を覗いたり、写真を撮りながら徘徊していたり、屋根工事業者やガス器具の点検などを装って訪問してきたりした場合は、「犯人側の下見」として警戒してください。
一般の人から見ても「おかしい」と感じることがあれば、躊躇せず110番通報することが大切です。
「家の周りを覗く」「写真を撮る」……こんな行動は“下見”を警戒

具体的には、次のような行動が見られた場合は注意が必要です。
- 普段見慣れない人物が家の周辺を覗いている
- 写真を撮りながら徘徊している
- 屋根工事業者やガス器具点検などを装って訪問してくる
といったケースです。
不審者の格好もさまざまで、帽子を深くかぶり、サングラスやマスクを着用している場合だけでなく、スーツ姿や工事現場の作業員風の場合もあります。
見た目だけで判断するのではなく、行動にも注意してください。
「受け答えがおかしい」「家族のことを異常に聞いてくる」場合も注意

一見すると普通の訪問者に見えても、やり取りの中で不自然さが表れることがあります。
警視庁は、
- 声をかけてもまともに受け答えをせず逃げ出す
- 異常なまでに家族や個人情報について聞き出そうとする
- 工事業者を名乗っているのに、使用車両に工具が積まれていない
など、一般の人から見ても「おかしいな」と感じるケースがあるとしています。
こうした場合は毅然と対応し、躊躇せず110番通報してください。
急な訪問者には玄関ドアを開けない!家族構成や資産も話さない

突然、工事業者や点検業者、買取業者などを名乗る人物が訪れても、不用意に玄関ドアを開けないことが大切です。
普段から戸締まりを徹底し、急な訪問者にはインターホン越しに対応してください。
入室を求められても、毅然とした態度で拒否しましょう。
一人でいる場合には、その場で対応せず、家族などが一緒に対応できる日に再度来てもらうよう促す方法もあります。
また、家族構成、在宅時間帯、資産などを聞かれても答えないでください。
工事業者を名乗っても「その場で契約」はしない
工事施工業者を名乗る人物が訪問した場合は、先に名刺を求めるなど、身元確認を徹底してください。
屋根や給湯器などの修理を持ちかけられた場合も、絶対にその場で契約しないようにしましょう。
相手が不審だったり、断っても帰らなかったりした場合は、すぐに警察へ通報してください。
電話やSNSで「家族」「資産」「在宅時間」を聞かれても答えない

訪問だけでなく、電話やSNSを通じて個人情報を聞き出そうとするケースにも注意が必要です。
電話で家族構成や資産状況、在宅時間などを聞かれた場合は、毅然と拒否してください。
SNSの場合は無視し、メッセージを削除してください。
そもそも知らない電話には出ず、SNSでも「信用できない相手」「実際に会ったことのない相手」に個人情報を送らないことが大切です。
「自宅に高価なものがある」と知られる行動にも注意
多額の現金や、金地金、宝石、高級時計などの現物資産は、自宅で保管しないようにしてください。
また、そうした資産を持つ「資産家である」ということを周囲に喧伝しないことも大切です。
自宅内で撮った写真をSNSなどに掲載する場合も、写り込みに注意してください。
万が一、犯人側と思われる人物から電話や接触があった場合や、「これは詐欺や強盗の犯人だ」と分かった場合も、不用意に相手を煽らず、すぐに警察へ通報してください。
玄関や窓は「隠せば安心」とは限らない

住宅そのものの防犯対策として、警視庁は、
- 防犯性の高い建物部品(CP製品)の導入
- 防犯カメラの導入
- ホームセキュリティの導入
などを挙げています。
植木などで玄関や窓を殊更に隠すことは、かえって狙われる原因になる場合もあるため注意してください。
防犯カメラについては、補助金が出ている場合もあるため、住んでいる自治体に問い合わせてみましょう。
防犯カメラやセンサーライト、補助錠は「設置すればOK」ではない
防犯設備を導入するときは、用途に合ったものかどうかも確認してください。
警視庁は、防犯設備について、
- 用途に適しているか
- カメラが他人の家などに向いていないか
- ライトの光が周囲の迷惑にならないか
- 管理しやすいか、修理対応はどうなっているか
- 電源方式はどうか
- 補助錠はCPマーク付きか
といった点を意識するよう呼びかけています。
設置場所や角度の調整、万が一の際の連絡体制については、管轄の警察へ相談してください。
一人暮らしや高齢者世帯は「非常ベル・防犯ブザー」も準備

一人暮らしや高齢者だけで暮らしている世帯では、突然の侵入犯罪に備えて、非常ベルや防犯ブザーなどを準備しておくことも対策のひとつです。
戸締まりを徹底することに加え、親族や友人、ご近所、福祉など、地域や他者とのつながりと連絡手段を維持してください。
緊急時や困ったときには、警察や行政機関を頼りましょう。
離れて暮らす高齢の親には「遠隔で確認できる機器」も
離れて暮らす高齢の家族がいる場合は、IT技術を使った防犯機器を活用する方法もあります。
警視庁によると、インターホンへの応答を高齢の家族に代わって遠隔で行えたり、鍵の閉め忘れを通知してくれたりする機器も開発されているとのこと。
費用はかかりますが、こうした機器を利用することも防犯につながります。
「まだ被害に遭っていない」段階でも警察に相談できる

「家の周りを知らない人がうろうろしている」「自宅が狙われているような気がする」「不審な訪問があった」といった場合、まだ被害が発生していなくても警察に相談できます。
家の周りに不審な人物がいるなど、その場で不審な状況に遭遇した場合は、躊躇せず110番通報してください。
「不審者情報」や「防犯情報」として相談したい場合は、警察署の生活安全課相談係へ相談できます。
「#9110」に電話して相談することも可能です。
また、近所で不審者情報を共有するなど、地域ぐるみで防犯対策を行うことも効果的です。
「おかしい」と感じた段階で警察へ相談を

闇バイトを実行役とした強盗や侵入犯罪では、犯行前に対象となる住宅の周辺で不審者が目撃される場合があります。
警視庁が注意喚起する"不審人物の注意点"をまとめると、
- 家の周辺を覗いている
- 写真を撮りながら徘徊している
- 工事や点検を装って突然訪問してくる
- 家族構成や在宅時間、資産について詳しく聞いてくる
- 業者を名乗っているのに身元や行動に不自然な点がある
ということになります。
この5つの不審人物の特徴を覚えておいてください。
「おかしい」と感じた場合には放置せず、躊躇せず110番通報してください。
また、普段から戸締まりを徹底し、急な訪問者には玄関ドアを開けない、資産や家族構成などの個人情報を教えない、防犯カメラやCP製品などを活用するといった対策も重要です。
離れて暮らす高齢の家族がいる場合は、日頃から連絡手段を維持し、遠隔でインターホンに対応したり、鍵の閉め忘れを知らせたりする機器の利用も検討しましょう。
「まだ何も起きていないから」と迷う必要はありません。不審な人物や訪問に気づいた段階で、警察に相談することが大切です。
取材協力:警視庁
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者が特定されないよう、固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
※一部AI画像を使用しています。