夫の私への扱いは、日に日にひどくなっていきました。私が施設育ちであることを理由に、下に見ているようです。
天涯孤独の私に対して「常識がない」「叱る親がいないから、自分が代わりにしつけてやっている」と偉そうな態度をとる夫。ことあるごとに「育ちが出る」と言われ、見下される日々を過ごしていました。
ストーカー被害にあっても暴言
最近、パート先のお客さんの中に私をじっと見てくる怪しい男性がいることに気づきました。そしてある日、待ち伏せされ、退勤後につけられてしまったのです。
家を知られるのが怖くなった私は、とっさに反対方向の電車に乗り込みました。遠回りをしていると、夫から「帰りが遅い、飯はまだか」と催促の連絡が入ります。
帰宅後に状況を説明しても、夫は「自意識過剰だ」とバカにするだけ。私の身を案ずるどころか、「言い訳するな」「早く帰って飯を作れ」と責め立ててきました。しばらくは帰り道を変えて警戒しましたが、夫が心配する様子は一切ありませんでした。
そのころ、夫から渡される生活費がどんどん減らされていました。もともとやりくりできない金額のため増やしてほしいと頼んでも、夫は「将来のために資産運用をしている」「主婦なんだから渡された金でやりくりしろ」と命令するだけ。
その後も生活費は削られ続け、ついには1万円のみに……。私が意見すると、夫は逆に不満を爆発させてきたのです。
私には水もガスももったいない
「邪魔だから俺の視界に入るな」「生活費は当然渡さない」「家の風呂にも入るな」
夫は、私を見ているとイライラするそうで、私には水もガスももったいないから使うなとまで言われました。理不尽極まりない夫の態度には、本当に頭にきます。
私が離婚を提案すると、夫は「ホームレスにでもなるのか?」とバカにするような言葉を投げかけました。すべての家事をひとりでして、パート代をすべて取り上げられ、たりない生活費は私の独身時代の貯金から捻出。その上、罵倒される奴隷のような毎日……。
私が「こんな生活ならホームレスのほうがマシ」と返すと、夫は「今すぐ出ていけ」と激怒しました。
「わかったよ、後悔しないでね?」
そもそも私は、夫に言われなくても近いうちに家を出るつもりでした。追い出される形にはなりましたが、何の問題もありません。これから後悔することになるであろう夫を哀れみながら、私は家を出ました。
私が家を出て1週間後、夫のもとに弁護士から連絡が入りました。実はこの弁護士こそ、私が「ストーカー」だと思い込んでいた人物だったのです。
ストーカーというのは完全に私の勘違いで、彼の正体は幼少期に同じ施設で過ごした兄のような存在の男性でした。遠い親戚に引き取られたため一緒に過ごした時間は短かったものの、当時の私は彼を本当の兄のように慕っていたのです。
大人になった彼は私を探してくれていたものの、急に声をかけるのをためらい、職場の周りで様子をうかがっていたとのこと。後日、彼が職場へ挨拶に来て事情を説明してくれたことで誤解は解け、感動の再会を果たしました。
その際、彼の職業が弁護士だと知った私は、ずっと費用面で悩んでいた離婚の相談をすることに。昔のよしみで格安かつ分割払いで引き受けてくれることになり、私はこれ以上ない心強い味方を得たのでした。
心強い味方ができた私は反撃開始
実は、私を見つけて声をかけようか迷っていた際、彼は夫と私のやり取りを目撃していたのだそう。ずいぶん心配してくれていたようでした。
さらに、偶然夫が女性と親しげに歩いている姿も目にしたとのこと。その事実を聞かされた私は、ショックよりも「やっぱり」という気持ちのほうが大きく、すぐに探偵へ夫の調査を依頼しました。
探偵から受け取った調査報告書には不倫を裏付ける証拠がずらり。それを弁護士を通して夫に突きつけ、改めて離婚の意思を告げました。
あのとき逆上して「出ていけ」と声を荒げた夫ですが、本気で離婚することになるとは考えていなかったようで、窮地に立たされた途端、手のひらを返してきたのです。「君のことが好きすぎて、うまく接することができなかったんだ」などと意味不明な言い訳をして、やり直したいと懇願してきました。
もちろん私にはやり直す気になんてありません。きっぱり断り、弁護士を通して何度か話し合いを重ねた末、財産分与と慰謝料についても合意し、離婚が成立しました。
その後、元夫の連絡先はブロック。今となっては、元夫がどこでどんな生活をしているのかわかりませんが、きっと幸せな生活は送れていないことでしょう。
一方、私は新しく正社員の仕事を見つけました。再会した彼ともよく連絡を取り合い、穏やかで温かい日々を過ごしています。
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生活費を渡さない・極端に減らす、使わせないといった行為は「経済的DV」に該当する可能性があります。
「主婦なんだから我慢しなければ」「自分がやりくりできないのが悪いのかも」と自分を責め、一人で抱え込んでしまうケースも少なくありません。しかし、配偶者から不当に金銭を制限されたり、暴言で支配されたりすることに耐え続ける必要はありません。
少しでも違和感や不安を感じたら、まずは全国共通の相談窓口「DV相談ナビ(#8008)」などを利用し、一人で悩まず専門機関や弁護士にSOSを出しましょう。
【取材時期:2026年9月】
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。