結婚前は優しかった夫・慎一は、娘・舞が生まれてから、実際の育児を妻の美雪に任せきりなのに、SNSでは“いいパパ”を演じるようになりました。母親からの称賛に気をよくする慎一に、美雪は強く言い返せないまま、モヤモヤを募らせていきます。
そんな折、慎一の母である義母が家を訪ねてきました。義母は息子を「いいパパになって」と褒めちぎる一方で、実際に舞を育ててきた美雪の存在は、すっかり置き去りにされてしまいます。
慎一は「おむつも俺が替えてる」と得意げですが、いざとなると置き場所さえわかりません。やがて母子だけで盛り上がる空気ができあがり、美雪はどこか落ち着かないものを感じます。そして気づくのです。慎一が本当にうれしそうにするのは、舞でも自分でもなく、義母に褒められたときなのだと。
そんな慎一に、美雪はついに、義母の前で“いいパパ”を演じる嘘を問いただすのですが――。
私のことを「細かい」という夫…すると義母は












ある日、美雪は慎一に、義母への嘘を問いただします。おむつ替えもしたことがなく、育児にもほとんど協力していないのに、なぜ「いいパパ」を演じるのか——。けれど慎一は悪びれるどころか、「母さんが喜ぶんだからいいだろ。親孝行だよ」と言い放ち、「美雪は細かい」と話を打ち切ってしまいました。
後日、義母を交えた食事の席。慎一は「舞はよく食べるんだよ」と得意げに語ります。それを見ていた美雪は、普段ほとんど舞の食事を見ていないのに、という思いを飲み込みました。
さらに慎一は、大人用のハンバーグを舞に食べさせようとします。美雪はとっさに「ダメ!」と止め、「舞にはまだ早い。味も濃いし、月齢にも合っていない」と訴えました。ところが慎一は「ほらでた、美雪の神経質!」と取り合いません。
味方になってほしい義母までも、「おおらかさも大事よ」「慎一のいいパパっぷりは見ていればわかるでしょう」と慎一の側に立ち、美雪をたしなめます。赤ちゃんに大人の食べ物を与えようとするのを止めるのは、当たり前のことのはず——。それなのに、いつの間にか自分のほうが“細かい母親”にされていく状況に、美雪は戸惑いを深めていくのでした。
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赤ちゃんの食事を心配して声を上げたのに、「神経質」と言われてしまった……。このように育児に関する考え方が家族とすれ違い、戸惑った経験がある方もいるのではないでしょうか。
赤ちゃんは、成長に合わせて、かむ力や飲み込む力、消化の働きが少しずつ発達していきます。大人の食事は味付けが濃く、塩分などが多い場合があるほか、食材の硬さや大きさによっては喉に詰まらせる危険もあります。赤ちゃんの食事は、月齢や発達の段階に合わせて、軟らかさ・大きさ・味付けなどを調整していくことが大切です。
育児の方針を巡って、家族の間で意見が食い違うことは珍しくありません。そんなときこそ、赤ちゃんの発達や安全を第一に考えたいものです。誰かの心配を「神経質」と片付けず、専門家の情報を家族で共有しながら、赤ちゃんにとって何が大切かを一緒に考えていけるといいですね。意見がまとまらないときは、かかりつけの小児科医や地域の保健センター、保健師などに相談するのも一つの方法です。離乳食や食事の悩みであれば、管理栄養士にも相談できます。一人で抱え込まず、頼れる専門家の力を借りながら、家族で赤ちゃんの成長を見守っていきましょう。
監修:関根直子(助産師)
きりぷち