「気軽に専門家に質問ができて、さらに返信も早い」とママから日々感謝の声が寄せられているベビーカレンダーの人気コンテンツ【助産師に相談】の掲示板。今回は、性器ヘルペスに関するご相談です。
Q.帝王切開になってしまうのでしょうか?
現在、妊娠35週です。以前、性器ヘルペスになったことがあり、3年に一度くらい再発します。昨日急に前兆のようなものがあり、慌てて産婦人科で軟膏を処方してもらいました。今、水泡が出ているわけではないのですが、分娩時に前兆のような症状が見られた場合、帝王切開になってしまうのでしょうか? 再発する箇所は肛門の部分です。
宮川めぐみ助産師からの回答
お産のときの状況で、帝王切開になるということはあると思います。水疱ができる部分が肛門のあたりとのことですが、産道からとても近いところになります。医師の判断にもよるかもしれませんが、性器ヘルペスを発症しているようでしたら帝王切開を選択されることはあるように思います。またかかりつけの先生にもご相談ください。
※参考:ベビーカレンダー「助産師に相談」コーナー
※診断や具体的な治療については医師の指示にしたがってください
性器ヘルペスに感染するとどうなる? 治療法は?
単純ヘルペスウイルスに初めて感染すると、症状が出ないケースも多くみられますが、外陰部に水疱や潰瘍ができ、強い痛みを伴います。そのため排尿や歩行がしにくくなることも。そのほか、発熱や足の付け根のリンパ節が腫れたりするなどの症状が出ます。
また妊娠中の性器ヘルペスは、おなかの中の赤ちゃんに感染する恐れがあります。感染経路はいくつかありますが、特に問題になるのは赤ちゃんが産道を通ってくる間に感染してしまう産道感染です。性器ヘルペスに初めて感染したケースや性器に病変がある場合、約30~60%の赤ちゃんが新生児ヘルペスを発症し、治療をしないと約80%が死亡すると言われています。
性器ヘルペスの治療法には、抗ウイルス剤を使用します。抗ウイルス剤は軟膏や内服薬、点滴などがあり、過去に性器ヘルペスを発症した人には予防的に使われることもあります。
性器ヘルペスを発症したときのお産の方法は?
妊娠中に性器ヘルペスを発症してしまった場合、産道感染のリスクがあるため、初めての感染や性器に病変がある場合は、帝王切開が選択されます。日本産婦人科医会のアンケート結果によると、性器ヘルペスのために帝王切開になった妊婦さんは、調査対象全体の15%という結果となっていました。
また、予防的に抗ウイルス剤を使用している施設は少ないものの、78.3%が予防投与によって帝王切開が回避できたと考えられていました。しかし、薬を使い始める時期などに幅があり、まだまだ検討が必要だとのことです。
最初に、単純ヘルペスウイルスは一度感染すると生涯にわたり体の中に潜伏し、疲労などで免疫が低下すると再発を繰り返すという特徴があります。妊娠中は免疫力が低下するということもあり、過去に性器ヘルペスになったことがある人は再発したり、過去に症状が出なかった場合でも症状が出ることがあります。再発の場合には、初めての感染のときよりも症状は軽いことが多いですが、きちんと治療する必要があります。過去に性器ヘルペスになったことがあったり、外陰部に違和感があるような場合には、かかりつけ医に相談して安心して赤ちゃんを迎えられるようにしましょう。
※参考:ニュース(医療)「19歳以下の感染率は30歳以上の約2倍! 妊娠中の性器ヘルペス感染症」【助産師REIKO】
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