友人に婚約を報告すると…
僕には、大学時代から仲の良い友人がいました。卒業後、ふたりで小さな会社を立ち上げ、苦労しながら仕事を続けてきた仲です。
ところが、会社が軌道に乗り始めたころから、友人の態度が変わっていきました。僕が代表として社員たちから頼られる姿が気に入らないのか、何かと張り合ってくるようになったのです。
そんなある日、僕は同じ会社で働く彼女と婚約。職場では公私を分けようと、婚約のことは親しい社員数人にだけ伝えていました。
友人にも婚約を報告しましたが、「へえ、お前が先に結婚するとはな」とそっけない返事。そのときは相手の名前や会社で働いていることは伝えず、後日紹介するつもりでした。
それから数日後、街中で大学時代の知人女性・Aと偶然再会。彼女は僕や友人と同じサークルに所属しており、当時は僕に好意を寄せてくれていました。しかし、交際には至りませんでした。
久しぶりだったので近くのカフェで少し話し、別れた僕たち。ところが、その姿を友人が目撃していたのです。
勘違いが発覚!
数週間後のこと。出社すると、何やら社員たちが集まってざわついていました。その中心にいたのは、友人で……。「なんだろう?」と近づいてみると、友人が「こいつの婚約者、今は俺と付き合ってるんだよ」と僕を指さして、得意げに話していました。
「あいつが婚約したって聞いた直後、Aと一緒にいるところを見かけてさ。Aは、昔からあいつのことが好きだったのを知ってたから、ピンときたんだよ!」
どうやら友人は、僕とAが婚約したと勘違いした様子。以前からLINEでつながっていたAに連絡して食事に誘い、何度かデートを重ねて交際を始めたそうです。
Aはすでに僕への気持ちを整理しており、友人からの誘いを素直に受け入れたよう。友人も僕の話を一切出さなかったため、Aは彼の思惑に気づかなかったのでした。
さらに友人は、僕に向かってこう言いました。
「Aが俺と付き合うって言ったときは驚いた! お前より俺を選んだってことだしな。婚約者を奪われた気分はどうだ? 次はこの会社からお前を追い出してやる」。
しかし、周囲の社員たちは困惑した表情を浮かべていました。
勝ち誇っていた友人が…
「え? 何を言ってるの?」と僕は友人のありえない勘違いに思わず笑ってしまいました。そして、僕たちの婚約を知っていた社員も、
「社長の婚約者って、うちの会社の女性ですよね?」と口を開きました。
その言葉を聞いた友人は、「は!? でも、この前Aと一緒にいただろ!?」と目を丸くしていて……。そんな友人に、僕は「Aが好意を寄せてくれていたのは事実だけど、付き合ったこともないし、僕の婚約者は別の人だけど…」と伝えました。
すると、その場にいた婚約者も「私たち、婚約しているんですけど…」と気まずそうにひと言。友人は、顔を真っ赤にして黙り込んでしまいました。
「それより、僕に嫌がらせをするためにAと付き合ったの?」
僕が尋ねると、友人は気まずそうに目をそらしました。どうやらAには、僕との関係を確認せず、勝手に婚約者だと思い込んでいたようです。後日、僕はAにも事情を説明。僕への対抗心から交際を始めたと知ったAはショックを受け、友人と別れることにしたとのこと。
友人も、白い目で見られることに耐えられなくなったのか、会社を辞めていきました。
一方、僕は婚約者と結婚に向けた準備を進めています。僕に恥をかかせようとして、逆に自分が恥をかくことになった友人。長年の付き合いだっただけに、残念な気持ちです。でも今は、婚約者と他の社員たちと一緒に一丸となって、会社をさらに成長させたいと思っています。
※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
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