働く女性たちにとって、毎月訪れる生理は大きなストレスです。生理前・生理中の体調不良は男性社員に理解されないことも多く、職場でいやな思いをした経験がある人も少なくないのではないでしょうか。
そういった問題を減らすべく、労働基準法では「生理休暇」という生理日に休める権利が定められています。しかし、産休や育休などに比べると馴染みがうすいのも事実。実際に生理休暇をどのくらいの人が使っているのか、本当に必要なものなのか? 女性たちの本音を調査してみました。
※調査概要
調査対象:株式会社ベビーカレンダーが企画・運営している「ファーストプレゼント」「おぎゃー写真館」のサービスを利用された方
調査期間:2020年2月26日~2020年3月1日
調査件数:2,663件
生理休暇ってどんな人が使えるの?
「生理休暇」とは労働基準法68条で定められた権利で、「使用者は、生理日の就業が著しく困難な女性が休暇を請求したときは、その者を生理日に就業させてはならない」とあり、女性労働者であれば雇用形態を問わず誰でも行使することができます。
生理が重くてつらい日は無理せず休んでもいい、と法律で決められているのです。
ただし、有給・無給の規定はなく、ただの欠勤扱いになることもあります。
企業によって定められた日数までは給与が発生する場合もあるようなので、一度お勤め先の就業規則を見直してみるといいかもしれません。
実際にみんな生理で休んでるの?
「生理休暇」は女性労働者であれば誰でも取得できますが、無給扱いになる場合は、そもそも就業規則に記載されていないことが多いようです。そのため、「そんな権利があるなんて知らなかった」ということも。実際にどのくらいの人が知っていて、使っているのでしょうか。
「生理休暇はない」と答えた人が36%、「生理休暇はあるが、活用したことがない」と答えた人が33%と、約70%の人が知ってはいるようです。しかし、「生理休暇を活用したことがある」人は5%と、実際に使ったことがある人は非常に少ない結果になりました。
なお、厚生労働省の雇用均等基本調査(平成27年度)によると、生理による休暇を有給としている事業所は30%以下です。
そういった状況では、休みたくても休めない人が多くて当たり前ですよね。
生理休暇って必要?不必要?
それだけ多くの人が休んでいないという結果を見ると、そもそも生理休暇って必要なの? という疑問が湧いてきます。そこで、「生理休暇は必要かどうか」についても聞いてみました。
こちらは「生理休暇は必要」という人が74%と圧勝という結果に。その理由として、下記のような意見が挙げられています。
●女性の権利。
●人権だと思うから。
●風邪などと同じくらい、またはそれ以上にひどい場合もあるため、仕事に支障が出てしまうから。
●本当に辛い人は歩けないほどだし、あってもいいと思う。周りの理解も必要。
●女性だけに起こる生理で、女性だけが生理による体調不良で有給消化しなければならないのはおかしいと思うので。
●毎月からだの不調で生産性がおちるので、いっそのこと休んで体調が万全になってからの方が自分は楽だし、会社にとっても有益に感じる。
「与えられた権利は行使すべき」「風邪よりもつらい症状の日がある」「仕事の効率を考えるとひどい日は休んだ方が良い」といった声が大半を占めていました。
それに対して、「生理休暇は必要ない」と答えた人は、このような理由を挙げています。
●痛みの程度は自己判断だから本人でないと分からないけど、生理休暇を悪く利用してずる賢く取得する人がいるかもと思うと、なんとも言えない。
●休んだら休んだで周りからの目が怖いと思う。
●職場に男性もいるので言いづらいので、なくていいと思います。
●無給なので。
●生理中です!って言っているみたいでなんか嫌だ。
●わざわざ生理休暇という名前にしなくても、体調不良時に手軽に取れる休暇があれば良いと思うから。
●毎月あるので、周囲の人との兼ね合いが難しいから
そもそも生理痛が軽く不便がない人もいますが、症状がひどい人でも「男性の上司や同僚に言いづらい」「生理とバレたくない」といった意見が多く、昨今議論を呼んでいる「生理は隠すもの」という社会の風潮が根強い理由になっていることが分かりました。
そのため、生理とは言わずに病欠として有休を取得している人も多いようです。
気軽に休める世の中になれば無問題!
男性に理解してもらえなかったり、周りに生理だとバレるのが恥ずかしかったりするのも問題ではありますが、全体を通して見ると、そもそももっと気軽に休みが取れる環境になれば、「生理」と言って休みを申請しなくても済むのではないかと思います。
女性だけに限らず、体調が悪いときに仕事を休んでも気まずくない世の中になっていくと良いですね。