突然、大学病院に行くように指示されて
先生からは、「首の後ろのむくみが気になるので、出生前診断を前提に、大学病院で詳しく診てもらったほうがいい」と言われました。その日に予約を入れ、2日後に大学病院の診察でした。先生からは「やはり後頭部のむくみが標準より厚いので、染色体異常の可能性がある」との言葉。
私はショックを隠しきれませんでした。今後についてはまずNIPT(新型出生前診断)を受けるかどうかを夫婦で決めること。そしてNIPTで陽性が出た場合は、羊水検査をおこなうかを決めると説明されました。
葛藤の日々
かかりつけの産婦人科で染色体異常の可能性を指摘されてから、今後について何度も夫婦で話し合いました。NIPTは自費診療で、必要な費用は全部で約18万円。お金はかかりますが、検査ではっきりさせたい気持ちが夫婦共に強かったため、NIPTを受けることにしました。
そして、もし陽性だった場合に妊娠を継続するかについては、夫は中絶という意見で、私も長女のことや経済的なことなど、いろいろな要素を考えると中絶を考えていました。しかし、エコーで元気に動いている赤ちゃんを見ると、「そんなことはできない」という気持ちも強くあったのは事実です。
検査当日
検査当日は、まずエコーをおこないました。染色体異常の場合、心臓に問題がある場合が多いため、20分ほどかけて念入りにエコーで確認。結果、心臓には異常がなさそうとのことで、NIPTのための採血をしました。
検査結果が出るまでの2週間、私は毎日インターネットで染色体異常について調べ、迷い続けました。私は精神的に不安定な状態で、長女にやさしくできず、そのせいでしょうか、長女のイヤイヤがひどくなる日も……。おなかの赤ちゃんには毎日「元気に生まれて!」と家族全員で話しかけていました。
結果
2週間後、陽性が出た場合にどうするかの答えは出ないまま、結果を聞きに行きました。緊張しながら診察室に入ると、机の上には結果用紙の入った封筒が……。
結果は陰性でした。A4用紙1枚の簡素な物でしたが、とてもほっとし、肩の力が一気に抜けたことを今でも覚えています。陰性のため、羊水検査は必要ないとのことでした。
NIPTの結果が出てからは、おなかの赤ちゃんへの不安がなくなり、ゆったりした気持ちで妊娠生活を送ることができました。また検査を受けたことで、通常の妊婦健診とは別に、2週間に1回エコーで診察してもらいました。おなかの赤ちゃんの様子をよく知ることができ、安心しました。赤ちゃんは出産予定日に生まれ、今のところ特に異常もありません。費用はかかりましたが、私はNIPTを受けてよかったです。
※人工妊娠中絶は、母体保護法により定められた適応条件を満たしている場合に限り、施行されます。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
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監修/助産師 松田玲子
著者:うしじまさやか
2歳女の子、0歳男の子の母。登録販売者としてドラッグストアに勤務するワーキングマザー。育児、健康、美容について執筆中。