母の時代には、今ほど一般的ではなかった低用量ピル。私が使用していることを知るや否や、母は猛反対。長年の衝突の末、母の理解を得ることができたのは、とある国民的スポーツ選手がピルについて発信したことがきっかけでした。
生理の悩みを解決した低用量ピル
私は大学生のころ、バンド活動に打ち込んでいました。ライブに出演する日が近づいてくると、いつも気がかりだったのは「生理」。本番数日前に生理の兆候が現れると、「ライブと生理が重なったらどうしよう」と不安でたまりませんでした。
そんなとき、バンド仲間から「生理日をコントロールできる」と低用量ピルを進められ、婦人科を受診し、服用するように。
また、ピルは長年の生理不順も解決してくれました。ひどいときには生理が半年以上来ないこともあった私にとって、定期的に生理がくることはメンタル面でも大きな安心感がありました。
ピル使用を知った実母が大激怒!
あるとき、食後にピルを飲む私を見て、実母が「何の薬?」と聞いてきたことが事の発端でした。低用量ピルの効用を説明しましたが、「自然の摂理に逆らっちゃダメよ!」「お母さんも生理不順だったけどちゃんと妊娠・出産したから大丈夫よ!」とまったく聞く耳を持たず。
婦人科で説明を受けた通りに伝えましたが、母の時代にピルが一般的ではなかったこともあり猛反対を受けました。おまけに実母がネットでピルを検索すると、上位に並んだのは“避妊”に関しての情報だったため、「この不良娘!」と罵倒される事態に。
どうしたら理解を得られるか、実母に隠れてピルを服用することが生理とはまた違ったストレスになっていました。
著名人の発信が理解を得られるきっかけに
社会人になっても母の反対は続きましたが、理解を得られたのはある報道がきっかけでした。2017年、低用量ピルについて発信した著名人がいました。なでしこジャパンのキャプテンとして日本女子サッカーを優勝に導いた澤穂希さんです。
働く女性を対象にしたトークイベントにて、自身もピルを使用していることを明かし、「試合日と重ならないように生理周期をコントロールした」「試合のパフォーマンス向上にもつながった」と、正しい知識を発信してくださいました。
偉業を成し遂げた方の発信力は偉大なもので、たまたま私と一緒にテレビを見ていた母は戸惑いつつもようやく納得。時代は変わったのね、と受け入れてくれました。
性教育後進国の日本で「生理」や「ピル」といった話題を発信するのは、勇気が必要だったと思います。それでも、澤穂希さんが成功体験と共に正しい知識を発信してくださったおかげで、生活しやすくなった私がいました。生理をオープンにできる環境を作っていくことで、女性がもっと過ごしやすくなることを願ってやみません。
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