「気軽に専門家に質問ができて、さらに返信も早い」とママから日々感謝の声が寄せられているベビーカレンダーの人気コンテンツ【助産師に相談】の掲示板。今回は、仰臥位低血圧症候群に関するご相談です。
Q.仰臥位低血圧症候群というものがあるとを知りました
現在、妊娠25週です。仰臥位低血圧症候群というものがあるとを知りました。病院からは張り止めを1日3回処方されていて、絶対自宅安静とまではいかないですが、普段からなるべく横になっています。横向きだとおなかを圧迫してしまうため、日中や夜寝るときもずっとあお向けです。仰臥位低血圧症候群になるのではないかと怖くなりました。
高杉絵理助産師からの回答
仰臥位低血圧症候群についてご心配になられたのですね。おなかの張りもあり、安静に過ごされているなかでご心配になるお気持ちはとてもよくわかりますよ。
仰臥位低血圧症候群は一般的には妊娠後期〜末期の子宮が大きくなったころになりやすいです。まだ妊娠25週ですので影響は少ないかと思いますし、あお向けでも必ずしも仰臥位低血圧症候群を起こすというわけではありません。
あお向けで寝ているときに息苦しさなどを感じられたときは横向きになるといいと思いますよ。左側を下にして横になるとむくみにくかったり、ラクに過ごせると言われていますが、人によりラクな体勢は異なると思うので、ご自身がラクに過ごせる体勢で過ごされて大丈夫ですよ。横向きになるときは、クッションを足の間に挟んだり、おなかの下にクッションを敷くとラクに過ごせることもあります。
※参考:ベビーカレンダー「助産師に相談」コーナー
※診断や具体的な治療については医師の指示にしたがってください
仰臥位低血圧症候群とは?
大きくなった子宮が下大静脈を圧迫し、心臓へ戻る血液が不足すると、心臓から全身へ送りだす血液の量が減るため、低血圧になります。血液によって運搬される酸素が不足して、母体に下記のような症状が現れます。
・顔面蒼白
・めまい
・気分不快
・意識が薄れていくように感じる
・胃がムカムカする
・嘔吐
・冷や汗
・呼吸がしづらい
意識が薄れていくなど不快症状が起きたら、すぐ左側臥位(母体の左側を下にして横向きになる)の姿勢にして、下大静脈の圧迫を取り除くことで、直ちに症状が回復します。姿勢を変えることで不快な症状が消失すれば、普段通りに過ごして良いです。
仰臥位低血圧症候群による母子への影響
仰臥位低血圧症候群になると、母体だけでなく胎児への酸素供給も不足します。胎児は一時的に酸素不足になっても、生命維持に大切な脳や心臓への酸素供給を優先させることができるので、母体が直ちに左側臥位になることで症状が消失すれば、胎児もいつも通りの状態に戻ります。胎児の酸素不足が重症化すると、胎児機能不全が起こる可能性があります。胎児機能不全とは、子宮の中で過ごす胎児が元気とは言えない状態のことです。
仰臥位低血圧症候群はどの妊婦さんにも起こり得ますが、母体だけでなく胎児の健康状態にも影響するため、予防的に過ごすことが大切です。
※参考:基礎知識(妊娠中)「【医師監修】妊婦はあお向けに寝ないほうがいい? 仰臥位低血圧症候群とは?」【監修者:医師 天神尚子 先生 産婦人科 | 三鷹レディースクリニック院長】
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