赤ちゃんが生後2カ月になると予防接種が始まります。予防接種にも定期接種と任意接種があり、それぞれのワクチンによって接種する年齢や回数などが違うので、スケジュール管理が大変……という方もいらっしゃるでしょう。今年、10月から赤ちゃんが激しい嘔吐や下痢を引き起こすロタウイルス胃腸炎のワクチンが任意接種から定期接種になるということをご存知でしょうか? それに伴い、予防接種のスケージュールについて厚生労働省が見直しをおこないました。
定期接種にロタウイルス胃腸炎のワクチンが追加
赤ちゃんの定期接種には、Hibワクチン、肺炎球菌ワクチン、B型肝炎ワクチン、DPT-IPV(4種混合)/3種混合・ポリオ、BCG、MR、水ぼうそう、日本脳炎*がありました。これらのワクチンに、ロタウイルスワクチンが2020年10月から加わります。
予防接種の大変なところは、やはりスケージュール管理。それぞれのワクチンによって接種する年齢や回数などが違うため、スケジュール管理をきちんとしないと打ち忘れてしまうおそれも。また、当日に赤ちゃんが体調を崩して予防接種が受けられなかった……ともなれば、スケジュールの変更を余儀なくされます。
*日本脳炎の予防接種は標準的には3歳におこないますが、生後6カ月から接種可能
ロタウイルスワクチンが加わってスケジュールはさらに複雑化!?
医師の判断で複数のワクチンを同時接種も可能ですが、別の日に打つ場合、定期接種化されているBCG、MRワクチン、水ぼうそうなどの生ワクチンは接種後27日以上、Hibワクチン、肺炎球菌ワクチン、B型肝炎ワクチンなどの不活化ワクチンは接種後6日以上の間隔をおくことになっていました。今回追加されるロタウイルスワクチンは生ワクチンなので、現行のとおりだと接種後27日以上間隔をあける必要があります。
しかし、ロタウイルスワクチンは口から接種するワクチンであるため、スタンプ方式でおこなうBCGや注射でおこなうそのほかの生ワクチンに影響を及ぼさないと考えられ、副反応が上昇するというエビデンスもないことから、欧米での予防接種の運用を参考に接種間隔の見直しがおこなわれました。
2020年10月からワクチンの接種間隔はどう変わる!?
その結果、厚生労働省は、異なる種類のワクチンを続けて打つ場合に間隔を数日以上あけるよう定めていた制限を、ロタウイルスワクチンが定期接種に加わる10月から注射するタイプの生ワクチンを続けて接種する場合を除いて撤廃する方針となる予定です。
【予防接種の間隔】
・注射でおこなう生ワクチンの次が注射でおこなう生ワクチンの場合は27日以上あける。
・注射でおこなう生ワクチンの次が口から接種するワクチンや不活化ワクチンは制限なし。
・口から接種するワクチンや不活化ワクチンは次に接種するワクチンがどのワクチンであっても制限なし。
※1:特に医師が認めた場合、同時接種がおこなうことができる。
※ 小児肺炎球菌やロタワクチンなど同一ワクチンを複数回接種する必要がある場合、接種間隔の制限は添付文書に従うこと。
赤ちゃんの予防接種のスケージュール管理に苦慮していた方たちはもちろん、これから予防接種のスケジュールを立てようとしている方にとっても朗報と言えるのではないでしょうか? 予防接種を受けることで、予防できたり罹っても軽症化で済んだりする病気がたくさんあります。費用の面で検討するというご家庭もあるかもしれませんが、ベビーカレンダーでは、定期接種に限らず任意接種も受けることをおすすめしています。
※2020年4月17日、誤字を修正いたしました。