次からの自然分娩が難しくなる
1人目を緊急帝王切開で産んで少し経ち、環境が落ち着つくと「ちゃんと産んであげられなかった」という激しい後悔に襲われました。自然分娩神話のようなものにとらわれていたのかもしれません。
「2人目は自然分娩で産もう!」と考えて乗り切ろうとしましたが、1人目を出産した産院では、帝王切開で出産した人の自然分娩は受け付けていませんでした。対応してくれる病院もあるものの数が少ないということを、出産後に初めて知りました。
根強い偏見がある
そもそも、帝王切開で産んだ本人が後悔をしているのですから、自分自身にも偏見があったわけです。そのことに、産んでみるまで気が付いていませんでした。
「背も高いし太ってもいないのにもったいない」と言われたり、親戚からも「帝王切開で生まれた子は我慢が足りない」と言われたり……。当事者になって初めて、小さな偏見から大きな偏見までついて回ることを知りました。
おなかの切り方には縦と横がある
私の場合は緊急帝王切開といっても「予定ではない」という意味で、命にかかわる緊急性を伴った手術ではありませんでした。そのため、切り方は目立たない横向きになりました。縦のほうが早く赤ちゃんを外に出せるため、緊急時には縦が多いそうです。
しかし私の知り合いは、予定帝王切開だったのですが産院の方針で縦向きに。ちゃんと知っていれば事前に相談して自分の気持ちを伝えるなり、他の病院に変えるなりできたのにと悔しそうでした。
「どんな産み方だって立派な出産」と考えられるようになるまで、数年の月日が必要でした。子どもたちが元気に育ってくれているおかげです。ただ、手術に挑む前にもっとちゃんと学んでおけば、長い間悔やまなかったのかもしれないな、と思っています。
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イラスト/マメ美
監修/助産師REIKO
著者:銀鏡あゆみ
二児の母。生まれ育った町で、自身の父母・祖母・夫・子ども2人との大家族で暮らす。地元を中心に取材・撮影・執筆を行うライター。