4歳の子どもは軽度のハウスダストアレルギーがあり、小児科では風邪のときに呼吸器系の症状が出やすいといわれています。そんな子どもがこのコロナ禍のなか、風邪をひきました。小児科に加えて耳鼻科も受診したのですが、そのときの医師の対応にびっくりした私の体験談をお伝えします。
耳鼻科はわが家のホームドクター
私の子どもは鼻がつまりやすいため、自分で鼻をかめない0歳のときから耳鼻科にはお世話になっています。かかりつけの耳鼻科の医師は定期的に学会に参加したり、このコロナ禍でもいち早く保健所の電話番号を病院の入り口に張り出したりしていて、地域の予防医療にも積極的な方です。
子どもに対してもやさしく、穏やかな口調で話しかけながら治療をしたり、帰り際にはハイタッチをして「またねー」とあいさつをしてくれたりと、私も子どもも頼りにしていました。
まさかの対応に混乱
4月上旬に子どもの熱が出て、鼻水と咳もあったので小児科を受診しました。私は一瞬、新型コロナウイルスの心配をしましたが、のどは赤くないし、肺の音もきれいで「風邪だね」との診断。そこで私はひと安心したのですが、子どもの鼻がつまり、息がしづらそうだったので耳鼻科にも行くことにしました。
耳鼻科の受付で世間話をし、いつも通りの気持ちで診察室に入ると医師が伏し目がちのような気が……。今までよりも手短に処置を済ませると「このあとは小児科にかかるように」と素っ気なく言われ、背を向けられたのです。あまりにもいつもとは違う態度に、私は混乱してしまいました。
不安感から視野偏狭に
私はそこでやっと気づいたのです。子どもが新型コロナウイルスの感染者かもしれないと警戒されていたのだと。病院の入り口の張り紙は注意喚起ではなく、新型コロナウイルスを病院内に持ち込ませないためのものだったのだと。
子どもの体調が悪く、心配から不安感が強くなっていた私は、その耳鼻科の医師の豹変ぶりに傷つき、さらに不安になりました。けれど落ち着いて考えれば医師の態度は当然かもしれないと考えられます。
耳鼻科の医師は、自身もスタッフも患者も守らなければならない立場にいるのです。私ばかりが苦しく不安なのだ、私が弱者で守られるべきなのだと視野偏狭になっていたと気づかされました。
その後、子どもは2日で解熱。新型コロナ疑惑なんてどこふく風で走り回っています。子どもが元気で、心穏やかな今ならあんなに不安にならなくてもよかったのにと思えます。大変なときこそ、私自身がニュートラルな状態でいることの大切さを感じられる一件でした。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
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著者:小原水月
1児の母。管理栄養士免許取得。「健康が人生をわくわくさせる」をモットーに食と健康の分野でライターとして活動中。高齢出産後、生まれ育った都心を離れ夫の実家がある地方都市へ移住。義母と同居。