「気軽に専門家に質問ができて、さらに返信も早い」とママから日々感謝の声が寄せられているベビーカレンダーの人気コンテンツ【専門家に相談】の掲示板。そのなかから特に注目をあつめた質問の内容を一部抜粋してご紹介します。今回は破水に関するご相談です。
Q.破水したらなぜすぐ病院に行かないといけないのですか?
現在妊31週です。「破水から始まった場合、陣痛は24時間以内に来る場合が多い」と聞きました。痛みは、陣痛から始まったときのように生理痛から始まり徐々に強くなっていくような感じでしょうか? 破水から始まると子宮口はどうなっているのでしょうか? 破水からの場合、すぐ陣痛が始まるかどうかもわからないのに、なぜすぐ病院に行かないといけないのですか?
宮川めぐみ助産師からの回答
破水をしてから24時間以内に陣痛が起こることがありますが、そのときの痛みは生理痛程度のものから始まり、徐々に強くなっていくことが多いです。痛みの段階、変化の仕方は陣痛のときと変わりませんよ。また、子宮口が開いていても開いていなくても破水はします。破水したら、赤ちゃんがいる子宮の中と外界が通じることになりますので、感染のリスクが出てきます。なので抗生剤の内服をするようになったり、お母さんの全身状態、赤ちゃんの状態を確認する必要があります。なので病院に来ていただき、入院になりますよ。
※参考:ベビーカレンダー「専門家に相談」コーナー
※診断や具体的な治療については医師の指示にしたがってください
前期破水とは?
前期破水は、赤ちゃんや羊水を包んでいる卵膜が、陣痛が起こる前に破れてしまうことです。通常の破水は出産の時に起こりますが、いくつかの原因によって陣痛が起こる前に破水が起こってしまいます。妊娠期のいつでも起こる可能性はあるのですが、特に妊娠37週以降の妊婦さんは、前期破水を起こす確率が高くなっています。
前期破水が起こる原因としては、卵膜の異常と子宮の内圧が急激に高くなることがあげられます。感染源が腟などから子宮内に侵入して炎症が起こり、卵膜がもろくなると破水しやすい状態になります。また、妊娠によって継続的に子宮の内圧が高くなっているのですが、咳などで急激に腹圧が加わると、内圧が急激に高まり、卵膜が破れて破水します。また、羊水が多い場合や子宮に奇形がある、多胎を妊娠していることからも起こります。
前期破水が起こると何が大変なの?
前期破水が起こると、羊水が子宮の外に流れ出てしまいます。羊水の量が少なくなると、子宮の壁がおなかの中の赤ちゃんを圧迫するようになり、心拍が低下する恐れがあります。また、羊水の流出が少なくても、卵膜が破損している状態が続くと、子宮内感染を起こしやすくなります。また、骨盤位(逆子)の場合、分娩前にへその緒が子宮から出てきたり、胎盤が子宮から剥がれてしまう危険性もあります。その場合は、母子共に命の危険があるため、緊急帝王切開となることもあります。
妊娠37週以降に前期破水が起きると、約80%の人が24時間以内に陣痛が起こります。陣痛が始まらないときや微弱陣痛のときは陣痛を誘発させます。妊娠37週未満では、週数によって対応が異なります。妊娠32週未満では、子宮の外に出ても自分で呼吸することが難しいため、できるだけ妊娠を継続させる必要があるので、陣痛が起きないように子宮の収縮を抑える薬を使います。妊娠34週未満では、おなかの中の赤ちゃんの肺の成熟を促すために、コルチコステロイドという薬をお母さんに投与します。
また、妊娠を継続する上で大切なのが感染予防です。通常、妊娠中は抗生剤を予防的に投与することはほとんどありません。しかし、子宮内への感染のリスクが高い前期破水では、抗生剤を予防的に投与していきます。検査や症状から感染したことがわかれば、陣痛を誘発させて分娩を促進させたり、帝王切開でおなかの中の赤ちゃんを子宮の外に出すことが必要です。
※参考:基礎知識(妊娠中)【医師監修】前期破水とは?原因や対処・予防方法、妊娠・出産への影響について【監修者:医師 浅川 恭行 先生 産婦人科 | 医療法人 晧慈会 浅川産婦人科 理事長】
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