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肺が片方しかない赤ちゃんの生活。人工呼吸器から酸素吸入器に切り替えて

肺に障害を持って生まれた赤ちゃん。医療ケアが必要なため、退院後も人工呼吸器および酸素吸入器を使っていたそうです。実際にご自宅で使用してみてどのようであったか、ママが感じた体験談を紹介しています。

管をつけた赤ちゃん

 

先天性横隔膜ヘルニアの影響で、肺が片方しかない状態で生まれた息子。退院後もしばらく人工呼吸器をつけていましたが、生後半年を迎えたときに病状が改善してきたため、酸素吸入器に切り替わりました。今回は人工呼吸器と酸素吸入器の違いについて、私が感じたことをご紹介します。

 

※横隔膜ヘルニア:本来胸とおなかの臓器を隔てている横隔膜に生まれつき穴が開いており、その穴からおなかの中の臓器が胸の中に出てきて心臓や肺を圧迫してしまう病気

 

息子がつけていた人工呼吸器

人工呼吸器

 

息子の場合は、最初は気管に管を入れて空気を送る形、退院時には鼻カニューレを付けて空気を送り込む形の人工呼吸器を使用していました。送り込む空気の圧が高く、そのままだと取り付けた箇所がひどく乾燥してしまうため、加湿器と共に使います。

 

加湿器、加湿用の精製水、結露を受けるコップなど付属品が多いため組み立てが複雑。また人工呼吸器、加湿器の両方に電源が必要です。

 

人工呼吸器で大変なこと

人工呼吸器は清潔を保つため、2週間に1回すべての回路(人工呼吸器から息子に繋がるホースのような部分)を取り替える必要があり、最初のうちはずいぶん手間取りました。

 

また、加湿器用の精製水は点滴パックのような大きさで、1日ほどでなくなります。精製水がないと熱い空気が送られ、やけどの危険があるため、常に残量に目を光らせておかねばなりません。

 

このため、精製水は30個以上、予備の回路は3個以上、常に家に置いておかなければならず、置き場所にも苦労しました。

 

酸素吸入器は回路がシンプル!

酸素吸入器に切り替わって、まず一番変わったのは回路がシンプルになったこと。息子が使っていた酸素吸入器は、人工呼吸器と比べると流れ出てくる酸素の勢いが穏やかなので加湿の必要がなく、酸素濃縮器と息子の鼻カニューレの間には長いチューブがあるだけです。

 

チューブを引きずりながらではありますが、息子を抱っこひもでおんぶして部屋の中を歩けるようになり、できる家事の幅が一気に広がりました。

 

酸素吸入器で外出がラクに!

人工呼吸器は、短い時間なら加湿器はなくてもよく、本体にはバッテリーがあるので外出自体は可能でした。しかし回路を組み替えてベビーカーや車に人工呼吸器をのせるわけですが、これが非常に複雑で、慣れたころでも10分くらいはかかっていました。

 

一方、酸素吸入器なら酸素ボンベにつなぎかえるだけ。酸素ボンベは機械ではないので、取り扱いが安心でリュックに入れて持ち歩き、抱っこひもも使えます。外出へのハードルがぐんと下がった感じがしました。

 

 

人工呼吸器も酸素吸入器はどちらも「大変そう」ですが、実際に扱ってみるとかなり大変の度合いが違います。息子の退院前は「医療ケアが必要」ということで、どちらを使う期間も心配していましたが、実情を知っていればもう少し気持ちが軽くなったかなぁと思います。

 

※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。

 

監修/助産師REIKO

 

 


著者:岩崎はるか

2女1男の母。両実家とも遠方のためワンオペ育児中。先天異常の影響で肺が片方しかない医療ケア児を含む3人の子を育てた育児体験談のほか、大学院まで学んだ食についても執筆。

 

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