こんにちは、助産師・国際ラクテーションコンサルタントの榎本です。今日は、コップ飲みがじょうずにできるポイントについてお話しします。コップ飲みがマスターできると、お母さんもグーンとラクになりますよ。
コップ飲みは赤ちゃんからできる!
コップ飲みがひとりでできるようになるのは、個人差はありますが、1歳半過ぎごろからと言われています。しかし、介助する形であれば、新生児のときからのコップ飲み(カップフィーディング)ができます。
これは、哺乳瓶とおっぱいの乳頭混乱を予防するだけでなく、災害時に育児用ミルクをあげるときに哺乳瓶がなくても衛生的にあげられる方法として注目されています。また、環境問題からもストローを廃止する飲食店も増えています。
コップ飲みを練習してみよう〈準備するもの〉
小さめのコップ、おちょこ、薬杯(液体のシロップを飲むためのもの)、スプーン、小皿、スプーンなどコップや小皿の場合、フチが薄いものを選ぶようにしましょう。
入れる水分は少なめにします。最初は、水や薄いお茶などこぼしてもベタついたり、汚れないもののほうがいいでしょう。赤ちゃんの育児用ミルクの場合、1割程度はこぼすと言われているのでその分多めに用意してください。
コップ飲みのコツ
口にコップやスプーン、お皿のフチを下唇の上にあて、傾けて上唇が水面にあたるところをキープします。吸って飲む様子をみながら少しずつ傾けていきます。ポイントは、決して流し込まず、本人が飲むペースに合わせて焦らずゆっくりと。もしむせこんでしまったら、中止して背中をトントンして呼吸が安定してから再開してください。
おすわりできるお子さんですと、対面しているより膝に前向きに座らせておこなうとじょうずにできる場合もあります。飲めるようになってきたら、量を増やしてみたり、コップに変えて練習してみてください。
コップ飲みができるようになるには
コップを持つ、口にあてる、傾けて調整する、自分の飲める量を口に含むという感覚の習得が必要です。
一口大の量を口に含むという感覚は、ストロー飲みを習得するときにも役立ちます。最初は、補助してあげながら繰り返し練習していきます。コップ飲みをさせるのをちゅうちょする原因はこぼされてしまうことかもしれません。こぼしてしまっても怒らずに、付き合ってあげてくださいね。
コップ飲みは、お子さんだけで飲めるようになるには時間がかかりますが、慣れておくことが大切です。コップで飲めることで、哺乳瓶で飲んでくれない赤ちゃんにも対応でき、完全母乳のお母さんも他の方に搾乳や育児用ミルクをあげてもらえることができます。時間に余裕があるときから、始めてみてくださいね。