保育園の強烈な洗礼
娘は生後11カ月のときに保育園へ入園しました。入園当初は噂に聞いていた通り、本当に次から次へと病気のオンパレード。娘は0歳児クラス9人のうち、お休みする回数ランキングでダントツのトップでした。
私が仕事を突発的に休むことによってしわ寄せがいく職場の同僚にも、次から次に病気にかかって体重も減って少しやつれた娘にも、そして何も悪くないのに「本当にすみません。Aちゃんのお熱が……」と私に何度も謝りながらお迎えコールをくれる保育園の先生にも、本当に申し訳ない気持ちでした。
熱が下がらず血液検査
娘が入園し、まもなく2カ月になる5月末でした。娘が風邪を引き、38~39度台の熱が6日続いても下がらず……。白血球数などに異常がないか、かかりつけの小児科で念のため血液検査を受けることに。
採血の結果、先生が心配していた白血球数には異常はなかったのですが、別の問題が……! 実は、娘は貧血だと判明したのです。本来11.0以上あるべきヘモグロビンの数値が娘は9.8。「かなり低い数値だから、今日からすぐに薬を飲んで!」と鉄剤のシロップを1カ月分処方されました。
言われてみれば思い当たることばかり
貧血と指摘されて振り返ってみれば、思い当たる節がたくさん。私は、娘を生後2週間から完全母乳で育ててきました。元々私自身が貧血気味なこともあり、途中で育児用ミルクをあげようとしたのですが、母乳に慣れた娘は育児用ミルクを完全拒否! 生後5カ月で離乳食を開始してからも娘は母乳ばかり欲しがってしまい、離乳食がなかなか進まず本当に悩んでいました。
そのため、離乳食の栄養バランスは二の次で、娘が少しでも食べてくれる食材ばかりを与えていたのです。入園後も、園でも自宅でも食べる量があまり増えず、目安の量の半分くらいしか食べられていませんでした。
※「授乳離乳の支援ガイド(2019年改訂版)」によると、母乳育児の赤ちゃんは生後6カ月ごろに鉄が不足しやすくなるため、貧血が起こりやすくなります。それは、育児用ミルクに比べて、母乳に含まれる鉄の量が少ないからです。赤ちゃんの鉄分不足を解消するためには、離乳食で補ったり、育児用ミルクをたすとよいでしょう。また、ママが鉄分を意識的に取ることも必要です。ママの鉄分不足が心配なときは、血液検査をすることをおすすめします。
貧血が原因で病気続きだったのかも…
鉄剤のシロップを内服させてから、1カ月後に再検査をしたところ、ヘモグロビンの数値が基準値を上回る12.5まで上がっていたため、無事に鉄剤のシロップを卒業。そのとき先生から、「貧血だと免疫力が低下するから、Aちゃんが病気にかかりやすかったのは、貧血も原因の1つだったかもしれない」と言われました。
私が勝手に保育園の洗礼と思い込んでいただけで、本当は保育園に入園する前から娘は貧血で、ずっとつらい思いをさせていたのかもしれないと思い、娘に申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。
娘が貧血だと診断されたとき、思い当たる節があまりに多く、娘に申し訳なくて胸が痛かったです。でも、1歳を過ぎて保育園にも入園済みでしたし、貧血だと気付けたからこそ、思い切って少食の原因である母乳を卒業させる決意もできました。断乳後、娘はそれまでとは見違えるように何でもよく食べる子になってくれたので、安心しました。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
監修/助産師 松田玲子
イラストレーター/みいの
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著者:近藤あいこ
6歳女児と1歳男児の2児の母。自身の体験をもとに、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。