「気軽に専門家に質問ができて、さらに返信も早い」とママから日々感謝の声が寄せられているベビーカレンダーの人気コンテンツ【助産師に相談】の掲示板。そのなかから特に注目をあつめた質問の内容を一部抜粋してご紹介します。今回はベビーマッサージに関するご相談です。
Q.ベビーマッサージはいつおこなえばよいでしょうか?
もうすぐ生後4カ月になる子どもを育てています。ベビーマッサージが良いと聞きますが、お風呂の前とあとはいつもギャン泣きで、保湿剤さえなかなか塗ってあげることもできない状態です。機嫌の良いときにおこなえばよいでしょうか?
宮川めぐみ助産師からの回答
マッサージですが、赤ちゃんの服の上から少し圧を加えるようにして撫で下ろすようにしてあげるのもいいですよ。裸ん坊になることに不安を感じることもあるのかもしれません。赤ちゃんの機嫌の良いときにやってあげるとよりいいと思いますよ。あまり構えすぎずに、「今ならできそう!」と思ったら、服の上からでもまずは試されてみてはいかがでしょうか?
※参考:ベビーカレンダー「助産師に相談」コーナー
※診断や具体的な治療については医師の指示にしたがってください
ベビーマッサージの方法
ベビーマッサージはさまざまな方法がありますが、今回は生後4カ月までの赤ちゃんを対象にした簡単な方法をご紹介します。
正期産で生まれた赤ちゃんは生後1カ月健診を終えたころ、予定日よりも早く生まれた赤ちゃんでは修正月齢(出産予定日を基準に数える方法)で数えて1カ月ころを開始の目安にしましょう。医療的なケアを受けている場合は、ベビーマッサージが赤ちゃんにとって適切なものなのか、通っている医療機関へ相談しましょう。
【注意事項】
・ベビーマッサージは親が赤ちゃんへおこなうものです。施術者が赤ちゃんにおこなうものではありません。
・親子がリラックスできる環境でおこないましょう。
・赤ちゃんは服を着たままでも裸の状態でもどちらでもかまいません。
・赤ちゃんが空腹のとき、満腹のとき、眠っているとき、泣き続けているときはマッサージをするのは避けましょう。
・マッサージは20分以内にしましょう。
足のマッサージ
・片手で赤ちゃんの足首を支えて、もう一方の手で赤ちゃんの足の付け根から足首まで
足の外側を軽くなでおろす。
・足首を支える手を替えて、次は足の内側を軽くなでおろす。
※左右おこないましょう。
おしりのマッサージ
・片足のかかとをおなかに近づけるように、自然に足を曲げて、片手で軽く支える。
・もう一方の手で、おしりの仙骨部分に◯を描くようにさする。
※左右おこないましょう。
おなかのマッサージ
・手の力を抜いて、そっと赤ちゃんのおなかの上におく。
・おへその周りを時計回りで◯を描くように手を動かす。このとき、おなかを押すのではなく、手の重さだけで◯を描くようにするのがコツ。
胸のマッサージ
・両手を赤ちゃんの胸の中央に置いて、肩と胸をさする。
・ハートを描くように手を動かす。
顔のマッサージ
・赤ちゃんの顔にやさしく手を置く。
・指先をおでこの中央から外側に向かってそっとやさしくすべらせる。
背中のマッサージ
・両手をカップのように軽く丸めて、力を抜いた手の重みだけで、背中の上から腰に向けてやさしくリズミカルにふれる。
・背中から腰に向けてやさしくなでるだけでもOK。
※赤ちゃんがうつぶせを嫌がらないときにおこないましょう。
終わりのマッサージ
・おでこ→肩→腕→足→つま先まで、やさしくなでおろす。
安全なベビーマッサージをするための注意点
ベビーマッサージは必ずしも誰かに習わないといけないものではありませんが、赤ちゃんを連れた外出や親同士の友だちづくりのために、ベビーマッサージの講座へ行こうと思っている方もいるでしょう。ベビーマッサージを習いに行く際には下記の3点に注意してください。
①ベビーマッサージは親が赤ちゃんにおこなうものです。
ベビーマッサージは親が赤ちゃんにおこなうもので、講師やセラピストなどベビーマッサージを教える者が赤ちゃんにおこなうものではありません。日本国内では、按摩マッサージ師の国家資格をもつ者以外はマッサージという言葉を使用できません。ベビーマッサージを普及する団体の認定資格を取得しても、施術としてのマッサージができるわけではありません。
②ベビーマッサージはオイルを使う必要はありません。
ベビーマッサージはスキンシップの1つなので、オイルなどを使用しなくても大丈夫です。お風呂後など保湿剤を使ってスキンケアをする際に、ベビーマッサージの手順を応用してもかまいません。赤ちゃんはにおいに敏感なため、アロマオイルやエッセンシャルオイルを使用することは避けましょう。もしオイルを使用する場合は、植物を原料にしたにおいのないベースオイル(キャリアオイル)を使用しましょう。化粧用オイルとして市販されているホホバオイルやスイートアーモンドオイルが適しています。
ベビーマッサージを普及する団体によっては、ごま油などの食用油でマッサージすることをすすめるところもあるようですが、それは間違った方法です。赤ちゃんの皮膚に赤みや炎症を起こしたり、アレルギー発症の原因となる危険性がありますので、絶対に食用油を使わないでください。
③ベビーマッサージを習うときは信頼できる人や団体で学びましょう。
ベビーマッサージについて調べると、タッチ〇〇、〇〇セラピー、ベビー〇〇、インファント〇〇、アロマベビー〇〇、アタッチメント〇〇など、さまざまな方法のベビーマッサージがあるように感じるかもしれません。
国内で普及しているベビーマッサージは、民間団体が独自にプログラムの開発や資格の認定等をおこない普及しているもので、定義や方法・手順・効果・資格など専門的な施術として統一されているわけではありません。
ベビーマッサージに関連する名称や方法、スキルなど、知名度が上げるためにwebやSNSで検索されやすい用語や名称、商標登録された呼称で普及していることがあります。さまざまな呼称があることで、結果的にベビーマッサージについて知りたいと思った親子にとっては安全な方法を選択しづらいのも事実です。
ベビーマッサージを習いたいと思ったときは、身近な人やweb上の口コミだけでなく、居住地の自治体が主催している講座などを参考にしましょう。高額な受講料を支払う、アロマオイルなど物品の購入を強要する、適切な医療から遠ざけようとする講師や団体が開催する講座やセミナーに気をつけましょう。
※参考:基礎知識(ベビー)「【医師監修】ベビーマッサージの効果と方法は?」【監修者:医師 松井 潔 先生 小児科 | 神奈川県立こども医療センター総合診療科部長】
ベビーカレンダーは、妊娠や育児のお悩みを抱えたママさんの強い味方でありたいと思っています。自分だけではどうしても解決できなかったとき、不安で仕方がないときは本物の助産師や管理栄養士がリアルタイムでお悩みや質問にお答えする『助産師に相談』『管理栄養士に相談』の掲示板をぜひご活用ください!