赤ちゃんの予防接種でこれまでは任意だったB型肝炎ワクチンが2016年10月から、定期接種になることが厚生労働省より発表されました。
B型肝炎ワクチンってどうして必要なの?
B型肝炎ウイルスは、血液を通じて感染すると思われていますが、実は唾液や尿や汗からも感染することがわかっています。そのため、保育園や幼稚園などの集団生活で、知らぬ間に感染してしまうこととも現実に起きています。子供の頃に感染してもすぐには発症しませんが、HBVキャリアになる可能性が高くなります。すると大人になってから慢性肝炎を発症しやすくなり、やがて肝硬変や肝臓がんなどの命にかかわる病気を引き起こします。だから、WHO(世界保健機関)によって生まれてすぐの赤ちゃんのうちに予防接種をすることが推奨されているのです。
定期接種化の対象になるのは?
日本ではこれまでB型肝炎ワクチンは、母子感染の恐れがある場合などを除いては任意の予防接種でした。免疫をつけるためには3回の接種が必要で、1回あたり6000〜8000円と安くはない費用がかかることから、接種率が低いのが現状でした。それだけに、今回の定期接種化は待ちに待ったもの。ただし、注意したいのは無料化の対象に制限があること。2016年5月現在では、公費で接種できるのは「2016年4月以降に生まれた0歳児のみ」。残念ながら、それ以前に生まれた赤ちゃんは無料になりません。無料化の開始時期などは自治体によって異なることがあるので、住まいの自治体に問い合わせてみましょう。
B型肝炎は、自分でも知らぬ間にキャリアになっていることがあります。これまで日本では任意ということもあり、接種していない赤ちゃんのほうが多数でしたが、B型肝炎ウイルスから守ってくれるのはワクチンだけ。まだ我が子に接種させていないママは、無料にはならなくても、この機会に検討してみませんか?(TEXT:妹尾香雪)