すでに子育てをしている人、これから母親・父親になる人にぜひ読んでほしい、「命」について考えるコミックをご紹介します。
『コウノドリ』鈴ノ木ユウ著(講談社)
綾野剛さん主演でドラマ化されたのが記憶に新しいこちら。産婦人科医である主人公のサクラをはじめ、助産師、小児科医など新しい命に携わる医師たちと、さまざまな「夫婦」が毎回登場します。妊娠中に風疹にかかって障害のある子供が生まれた夫婦。お腹の赤ちゃんが無脳症だと診断された夫婦。未熟児を出産したことを受け入れられない夫婦。限りなくリアルなだけに、ハッピーエーンドだけではなく、悲しい結末になることも少なくありませんが、だらこそ「命」がどういったものか考えさせられます。
『アイシテル〜海容〜』伊藤実著(講談社)
もしも我が子が、突然命を奪われてしまったら?もしも我が子が、殺人者になってしまったら?とても現実には起きてほしくない内容ですが、小学1年生の被害者と小学6年生の加害者と、それぞれの家族の思いを描いたコミックです。加害者も被害者もごく普通の家庭に育てられた普通の少年。それがなぜ「殺人事件」に発展してしまったのか。その切ない真実に思わず考え込んでしまいます。
『透明なゆりかご』沖田×華(講談社)
この物語のテーマは「生まれてくる命と、消えていく命」。産婦人科で見習い看護師をしていた著者の体験をもとにしたコミックです。産婦人科で働くということは「新しい命の誕生に立ち会える幸せなこと」だと思っていた著者が、初めて目にする産婦人科の現実。お腹の中で亡くなってしまった赤ちゃん、中絶後の胎児の処理、出産中の事故で命を落とした妊婦など、産婦人科には幸せばかりではなく、悲しみもあるのだと衝撃を受けた体験が描かれています。
いかがでしたか? ちょっと重たい内容ではありますが、涙なしには読むことができません。赤ちゃんを授かり、無事に出産し、子供の成長を見届ける。その奇跡に感謝しながら、1日1日を大切に過ごしたくなります。(TEXT:妹尾香雪)