産後の母親に寄り添い、しっかりと養生できるように、家事や育児を支援してくれる産後ドゥーラ。先輩ママたちはどんなふうにドゥーラを利用しているの? 今回初めて申し込んだというママを取材しました。
産後の生活に不安…妊娠中から産後ドゥーラ探し
取材に伺ったのは、生後1カ月の赤ちゃんがいる大蔵恵さん(仮名)のお宅。大蔵さんは小学生のお子さんが2人います。3回目の出産になるので育児には慣れていると思いきや、どうして産後ドゥーラを利用することに?
「妊娠中から産後ドゥーラを探していました。というのも、出産のタイミングで夫が単身赴任になることがわかって……。高齢出産ということと初めて自宅出産をすることもあり、産後ひとりでやっていけるのか不安があったんです。そんなとき、産婦人科にあったパンフレットで産後ドゥーラの存在を知り、『おっぱい以外の子育てを手伝ってもらおう』というコンセプトに共感してお願いしてみようと思いました」(大蔵さん)
すぐにドゥーラ協会のホームページを検索した大倉さん。登録している産後ドゥーラのプロフィールを見て、同じ市内に住む藤城敦子さんに申し込みをしました。藤城さんは、ドゥーラ協会が設立される前からフリーで産後支援活動をしているというベテランドゥーラ。自身も3児の母です。
「決め手になったのは、年が近く、子供の人数も同じ、自宅出産の経験があるなど、共通点が多くて気が合いそうだったこと。料理がお上手そうだったのも大きなポイントでした。藤城さんには妊娠中に顔合わせを兼ねて一度家に来てもらい、お試しで料理を作ってもらいました。その料理がとても美味しく、思った通りの素敵な方だったので、お願いすることにしたんです」(大蔵さん)
産後1カ月して、料理中心のドゥーラサポートを依頼
そして産後1カ月がたった5月某日。手伝いに来てくれていたお母様が自宅へ戻ったタイミングで、初回のサポートをお願いしました。妊娠中に顔合わせをしていたため、初めから打ち解けていたおふたり。赤ちゃんを囲んで「新生児ってかわいい〜」と和やかです。
まずは簡単な打ち合わせをして、当日サポートしてほしい内容を確認します。今回は2時間半なので、料理と掃除を中心にお願いすることに。
打ち合わせを終えると、藤城さんはさっそくキッチンへ。冷蔵庫にある食材を取り出し、手際よく料理を始めます。産後ケアの中でも「料理を作ってほしい」という依頼は多いのだそう。
「栄養のあるものを食べたくても、産後は赤ちゃんのお世話で手いっぱいで、なかなかキッチンに立つ余裕がありませんよね。そんなときこそ私たちドゥーラの出番。あらかじめ好みをうかがったり、母乳や体調のことを考えて、おひとりずつ合った料理をお作りします。食材は用意していただきますが、冷蔵庫をぱっと開いて、『なにが作れるかな』と考えるのも醍醐味。離乳食を作り置きしていくこともありますよ」(藤城さん)
藤城さんが料理をしている間、大倉さんはリビングで赤ちゃんとのんびり。まるで旧知の友人のようにリラックスした空気が漂います。
野菜のステーキ。5種類の野菜が美味しそう!
左から、はりはり漬け、紫玉ねぎのマリネ、ピーマンとしらすの佃煮
そして、およそ1時間後、いい香りとともに料理が出来上がり。メニューは「野菜ステーキ」「はりはり漬け」「紫玉ねぎのマリネ」「ピーマンとしらすの佃煮」「さつまいもと水菜の味噌汁」と野菜中心。ヘルシーで栄養バランス満点です。「自分の料理はいつもマンネリしてしまうので、同じ食材でこれほど違った料理になるとは!」と大倉さんも感激。自然と笑顔がこぼれていました。(TEXT:妹尾香雪)
>>明日は後編を掲載します!お楽しみに。
一般社団法人ドゥーラ協会