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暑さが続く今の時季は特に気を付けたい!傷みにくいお弁当の作り方とは

子どもの幼稚園や学童でお弁当が必要なママもいるでしょう。暑い時季は食材が傷みやすく、食中毒が心配ですよね。そこで今回は、食中毒から子どもを守るためにお弁当作りではどんなことに気を付けたらいいのか、食材選びや詰め方などを管理栄養士の久野多恵さんに聞いてみました!

この記事の監修者
監修者プロファイル

管理栄養士久野多恵

管理栄養士の資格を取得後、小児科に勤務。子育て中の親御さんの疑問や悩みが多い事に気づき、自身の学んだ栄養学を活かしたいと感じる。エビデンスに基づいた栄養指導の知識を深め、保健指導に尽力する。自身の出産・育児経験を経て、現在は、行政における乳幼児健診時の離乳食・幼児食相談、妊娠期相談を対面で行う。その他、離乳食教室や母親教室の講義を担当し、初めての子育てに不安なママさんへの疑問に向き合い、一緒に解決する機会を設けている。また、成人期・高齢期の栄養相談、講話なども行い、幅広い層への栄養知識を深める活動をする。1男1女の母であり、現在も子育てに奮闘中。
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子ども 夏 お弁当

 

食中毒を引き起こす原因には「細菌」と「ウイルス」があります。多くの細菌が湿気を好むため、気温も湿度も高くなり始める梅雨時期から夏場は、特に細菌による食中毒が増えます。作ってから食べるまでに時間が空くお弁当は、食材の扱いや調理方法、保管の仕方に注意をしないと細菌が増殖し、食中毒を起こす危険性が。

 

彩りや子どもの好きなものを優先したくなりますが、夏場は傷まないことを最優先に考えてお弁当作りをしましょう!

 

お弁当が傷みやすくなる条件とは?

女性 疑問

 

夏場はお弁当が傷みやすい季節なので、特に気を付けなければなりません。そこでお弁当を作るときに気を付けたい3つのポイントを紹介します。

 

水分が多い
食中毒の原因となる細菌は、水分が多いと増えやすくなります。ご飯やおかずが温かいうちにお弁当箱のフタをして、蒸気がこもった状態は水分が多くなり傷みの原因に。また、汁気のあるおかずを多く入れると細菌が増えやすい状態になります。

 

加熱が不十分
おかずを調理する際、しっかりと加熱しないと細菌は死滅しません。中心温度が85℃以上になるのが目安です。お肉やお魚はもちろん、野菜も生より加熱したほうが安全です。

 

低温で保存していない

高温多湿のところでは細菌が増えてしまいます。お弁当を長時間持ち歩くときや、冷蔵庫がない場合は、保冷剤や保冷バックを利用しましょう。また、冷蔵庫でも細菌はゆっくりと増殖します。作り置きのおかずを詰める場合は、なるべく作って間もないうちに使い、詰める前に再加熱をして冷ましてから詰めましょう。再加熱をすることで菌を殺すことができます。

 

さらに、何度も温めたり冷やしたりを繰り返すと傷みやすくなります。たくさんおかずを作り置きをしたときは小分けにして冷凍し、使う分だけ加熱すると良いです。

 

今日からできる! お弁当を作る際の具体的な食中毒対策

親子 手洗い

 

お弁当作りの食中毒対策について、「準備編」「調理・盛り付け編」「保存編」の3段階に分けて紹介していきます。

 

お弁当の食中毒対策<準備編>

せっけんでしっかり手を洗ってから
調理の前はしっかり手を洗いましょう。手や指に傷がある場合は、調理用手袋などで手を覆って。調理中も生のお肉やお魚、卵を触ったあとは念入りに手を洗ってください。

 

お弁当箱や調理器具は清潔なものを
お弁当箱や調理に使うまな板やふきん、菜箸などは、洗剤できれいに洗い、しっかり乾かしてから使いましょう。お弁当箱のフタは、パッキンも外してすみずみまで入念に洗います。

 

盛り付けカップは使い捨てのほうが安心
おかずを分けて盛り付けられるカップは、夏場は使い捨てタイプがより衛生的。シリコン製を使う場合は、お弁当箱と同じようにきれいにすみずみまで洗い、しっかり乾かしましょう。

 

お弁当の食中毒対策<調理・盛り付け編>

しっかり中まで火が通っているか確認を
おかずはしっかり加熱することが大事。中まで火が通っているか、しっかり切って確認しましょう。玉子焼きやゆで卵なども完全に固まるまで加熱を。そのままでも食べられるかまぼこやハムなども加熱したほうが安心です。

 

汁気を切る。または汁の出ないおかずを

お弁当のおかずには、揚げ物や焼き物など水分が少ないものを作ると安全。汁気が出るおかずの場合は、汁気を飛ばすか、お弁当箱に入れる前によく切ってから詰めましょう。

 

●生野菜やマヨネーズに注意
きゅうりやレタス、ポテトサラダなどのマヨネーズを使ったものが入っていると傷みやすいです。彩りで添えるミニトマトは、ヘタを取ってきれいに洗って、水気を拭き取ってから入れましょう。

 

温かいうちに詰めない
おかずやご飯が温かいうちにお弁当箱に入れると、蒸気がこもり水分となるので、しっかり冷めましてから詰めましょう。

 

食材は素手で触らない
きちんと手を洗っても、細菌が手に残っていることも。おにぎりはラップや調理用手袋で握りましょう。詰めるときも素手でなく、菜箸を使って。

 

お弁当の食中毒対策<保存編>

保冷剤や保冷バックを利用して
お弁当箱を持ち出す場合、出かけるまでは冷蔵庫や涼しいところで保管を。持ち出してからの保存は、外出先に冷蔵庫があれば、そこで保管するのが理想的ですが、ない場合は保冷剤や保冷バックを利用しましょう。冷気は下へ流れるので、お弁当箱のフタの上に保冷剤を置くと効果的です。

 

夏のお弁当に使いたい! 傷みにくい食材・おかず

お酢

 

夏のお弁当におすすめの傷みにくい食材やおかずを紹介します。

 

酢、カレー粉、梅干し、しょうが、しそ
これらの食材や調味料は、菌の繁殖を抑える作用が強く、夏のお弁当のおかずの味付けにぴったり。酢はにおいが気になる人も、ご飯を炊くときに酢を入れて炊くと、傷みにくく、においもほとんど気になりません。梅干しやしそをおにぎりに混ぜるのも効果的です。夏バテ予防にもなり一石二鳥ですね。

 

少し濃いめに味付けしたおかず
甘露煮や塩漬けなどが保存食として作られているように、塩分や糖分が多いおかずは水分が少なくなるため、傷みにくくなります。おかずをいつもより少し濃いめの味付けにするのも良いでしょう。ただし、加え過ぎや塩分、糖分の取り過ぎには注意を。

 

からあげ、フライ
汁気の出ない揚げ物は、傷みにくいおかずの代表格。からあげや魚介のフライは子どもも喜ぶおかずです。ただし、揚げ物の中でもコロッケは、具材のじゃがいもが傷みやすいので避けましょう。

 

夏場に心強い! 便利なお弁当グッズを活用しよう

夏のお弁当を守るアイテムもいろいろ出ています。ここでは、食中毒対策におすすめのグッズを2つ紹介します。

 

保冷剤つきお弁当箱
お弁当内の菌の繁殖を抑えるのに役立つ保冷剤。あらかじめフタと保冷剤が一体になっているお弁当箱もあります。ずれにくく、しっかり保冷できるメリットも。

 

抗菌シート・カップ
お弁当のおかずといっしょに入れておくと、菌の繁殖を防いでくれる抗菌シートやカップも。かわいい絵柄のものが多いので、子どもも大喜びです。

 

 

せっかくのお弁当でおなかを壊す……なんていうことがあったら悲しいですね。傷みにくいお弁当を意識して、対策を実践することが大切です。食中毒予防の3原則は、①「食べ物に細菌をつけない」②「細菌を増やさない」 ③「細菌を殺す、休眠させる」です。 清潔・迅速に調理し、しっかりとした加熱と冷却で安心・安全なお弁当作りを目指しましょう! 食べる前にきちんと手を洗うようにすること、少しでも変なにおいや味がしたら食べなくてよいことも、子どもに伝えておきましょう。

 

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著者:ムトウハルコ

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